古家を売却するときに後悔しないための考え方|解体前に比較したい3つの売り方
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- 2026/09/11
古家はそのまま売るべきか、解体して更地にするべきか。相続登記、接道、建物状態、住宅用地特例、相続空き家の3,000万円控除を確認し、後悔しにくい売却方法を解説します。
古家を売却するとき、「建物を残したまま売るべきか」「解体して更地にした方がよいのか」と迷う方は少なくありません。
築年数が古く、雨漏りや設備の劣化が見られると、「建物にはもう価値がない」と考えがちです。
しかし、古家の売却方法は築年数だけでは決まりません。
立地、接道、再建築の可否、建物状態、修繕費、解体費、税金、想定する買主などを比較しなければ、解体した方がよいのか、そのまま売った方がよいのかは判断できないからです。
古家売却で後悔しないためには、最初から解体を決めず、現状売却・古家付き土地・解体後の土地売却を比較することが大切です。
「古家」は法律上の正式な建物区分ではない
「古家」には、築何年以上という全国共通の法的な定義はありません。
一般には、築年数が古く、建物の市場価値が低いと考えられる住宅などを指して使われています。
しかし、築年数が同じでも、建物状態や立地は物件ごとに異なります。
例えば、同じ築50年の家でも、次の条件によって売却方法が変わります。
- 定期的に修繕されているか
- 雨漏りや傾きがあるか
- 現在の建物を改修して使えるか
- 建築基準法上の道路に接しているか
- 解体後に新しい建物を建てられるか
- 土地の形状や面積に需要があるか
- 家財や未登記部分が残っているか
「築50年だから建物価値はゼロ」「古いから更地の方が売れる」と一律に判断するのではなく、その家の利用可能性を確認する必要があります。
既存住宅流通シェア43.6%の正しい見方
国土交通省の資料によると、既存住宅流通シェアは2023年の40.4%から、2024年には43.6%へ上昇しています。
ただし、43.6%は戸建住宅とマンションを合算した数値です。
2024年の内訳では、既存戸建住宅が33.3%、既存マンションが62.6%となっています。
この数字から分かるのは、新築以外の住宅も一定の割合で取引されているということです。
相続した築古戸建てや、修繕が必要な古家まで一律に売れやすくなったことを示しているわけではありません。
古家が市場で検討されるかどうかは、築年数よりも、土地・建物の条件と購入後に必要となる費用によって変わります。
相続した古家は名義を確認する
相続した古家を売却する場合は、土地と建物の登記名義を確認します。
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。
遺産分割によって取得者が決まった場合も、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を反映した登記が必要です。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に発生した相続も対象で、以前から亡くなった方の名義になっている場合の最も早い期限は、原則として2027年3月31日です。
査定や接道調査は相続登記と並行して進められますが、買主へ所有権を移転するまでには、売主となる相続人の名義へ整える必要があります。
古家を売る3つの方法
1.中古住宅として現状売却する
建物を修繕して使える状態であれば、中古住宅として売却できる場合があります。
購入後に自分でリフォームしたい方や、建物の雰囲気・間取りを生かしたい方が対象になることもあります。
ただし、建物状態を実際より良く見せるのではなく、雨漏り、傾き、シロアリ被害、設備故障など、分かっている情報を整理することが重要です。
売却前にすべてを修繕する必要はありません。現状での価格と、修繕後に想定される価格を比較して判断します。
2.古家付き土地として売却する
建物の利用価値を積極的には評価せず、土地を中心に販売する方法です。
買主が、建物を改修して使うか、解体するかを購入後に判断できる点が特徴です。
売主が先に解体費を負担しなくて済む一方、買主側が負担する解体費や残置物処分費を考慮して価格を検討する必要があります。
「土地として売る」としても、建物を残して引き渡す以上、建物状態、家財、未登記部分などは事前に説明できるようにしておきましょう。
3.解体して更地で売却する
建物の劣化が大きく、住宅としての利用が難しい場合や、更地を探す買主が多い地域では、解体後の方が販売しやすくなる場合があります。
一方で、解体費を売主が先に負担しても、売却価格が同じだけ上がるとは限りません。
また、解体後に再建築できない土地では、既存建物を修繕して使う選択肢がなくなり、かえって買主が限られる可能性があります。
解体前に接道と再建築の可否を確認する
都市計画区域等では、建物の敷地は、原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。
古家が次のような場所にある場合は、解体前の確認が特に重要です。
- 路地奥にある
- 前面道路の幅が4m未満
- 接道部分が2m未満
- 私道に面している
- 道路に見える通路が建築基準法上の道路ではない
- 私道持分や通行・掘削の権利が確認できない
幅員4m未満でも、建築基準法第42条第2項道路であれば、セットバックによって建替えられる可能性があります。
接道義務を満たさない場合でも、第43条第2項の認定・許可を検討できることがあります。ただし、具体的な建築計画や周辺状況に基づく個別判断であり、必ず認められるわけではありません。
不動産会社から「再建築不可」と聞いただけで解体を決めず、自治体の建築指導担当部署や建築士へ確認することが大切です。










