相続した家は売るべき?持つべき?「残す理由」から考える現実的な判断方法
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- 2026/09/09
相続した家は売るべきか、そのまま持つべきかを、相続登記、空き家の管理負担、住宅用地特例、既存住宅流通、相続空き家の税制から解説。大阪府内の相続不動産を整理する判断基準も紹介します。
相続した実家を前にすると、「売却するべきか」「思い出のある家なので残すべきか」と迷う方は少なくありません。
家族が長く暮らした家であれば、すぐに手放すことへ抵抗を感じるのは自然なことです。
ただし、売却を決められないことと、名義や管理方法を決めないまま放置することは同じではありません。
相続した家を持ち続ける場合は、固定資産税、保険料、見回り、草刈り、修繕などの負担が続きます。
相続人が複数いれば、将来の利用や費用負担についても合意が必要です。
売るか持つかを考えるときは、まず**「その家を残す具体的な理由があるか」**を確認することが重要です。
全国の空き家は900万2,000戸
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。
このうち、賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸です。
ただし、これらの空き家がすべて相続した実家や、長期間管理されていない住宅というわけではありません。
また、全国の空き家が増えているからといって、個々の家が必ず売れにくいとも限りません。
実際の市場性は、立地、接道、土地面積、再建築の可否、建物状態、価格などによって異なります。
この統計から考えるべきなのは「すぐ売らなければならない」ということではなく、利用されない家を、方針がないまま長期間残さないことです。
売却・保有にかかわらず相続登記が必要
相続した家について最初に確認したいのが、土地と建物の名義です。
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。
遺産分割によって不動産の取得者が決まった場合も、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を反映した登記が必要です。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に始まった相続も対象です。以前から亡くなった方の名義のままになっている場合、最も早い申請期限は原則として2027年3月31日です。
家を売却しない場合でも、登記義務がなくなるわけではありません。
保有を選ぶ場合も、誰が正式な所有者となり、誰が管理や費用負担を担うのかを明確にする必要があります。
「残す理由」が具体的なら保有を検討できる
相続した家を保有することに合理性があるのは、今後の利用方法や管理体制が具体的に決まっている場合です。
例えば、次のようなケースです。
- 数年以内に自分や家族が住む予定がある
- 賃貸や事業利用について具体的な計画がある
- 定期的に見回りや管理を行える
- 税金、保険、修繕費を継続して負担できる
- 相続人全員が保有方針に合意している
- 利用できなかった場合の見直し期限を決めている
「いつか誰かが住むかもしれない」という段階では、利用計画として十分とはいえません。
誰が、いつから、どのように使うのかまで決まっていれば、保有の意味を判断しやすくなります。
また、「3年以内に利用を始められなければ売却を再検討する」など、見直し時期を決めておくことも大切です。
保有を選ぶと続く負担
誰も住んでいない家でも、所有者には次のような負担が続きます。
- 固定資産税や都市計画税
- 火災保険などの保険料
- 草刈りや庭木の剪定
- 建物内外の点検
- 室内の換気や清掃
- 屋根、外壁、塀などの補修
- 遠方からの交通費や管理委託費
- 郵便物、不法侵入、近隣からの連絡への対応
国土交通省も、空き家の適切な管理として、建物の点検、通気・換気、郵便物の確認や整理などを挙げています。
所有者自身で対応できない場合は、空き家管理事業者などへの依頼も検討対象となります。
人が住まない家が時間の経過だけで必ず急速に傷むわけではありません。
しかし、定期的に確認しなければ、雨漏り、漏水、害虫被害、外壁や塀の損傷などの発見が遅れ、結果として修繕費が大きくなる可能性があります。










