「相続した長屋を解体したいが、隣の家とつながっている」
「切り離した後の外壁補修まで含めると、いくらかかるのか分からない」
「解体費用を負担して更地にするのと、現状のまま売るのはどちらがよいのだろう」
奈良市、大和郡山市、橿原市、大和高田市、桜井市など、古くから住宅が建ち並ぶ地域には、複数の住戸が壁や屋根でつながった長屋・連棟住宅があります。
長屋の一戸だけを解体する場合、一般的な戸建住宅の解体とは異なり、隣家との切り離し、露出する壁の防水・外壁工事、屋根や雨どいの補修などが必要になることがあります。
そのため、単純な「坪単価×延床面積」だけでは費用を判断できません。
さらに注意したいのが、建物を先に取り壊した結果、接道条件を満たさず、再建築が難しい土地だけが残るケースです。
解体工事を契約する前に、解体費用・隣家との関係・再建築の可否・現状売却した場合の価格を比較することが大切です。
長屋の「切り離し解体」とは?
切り離し解体とは、複数の住戸が一体になった長屋・連棟住宅のうち、一戸または一部分だけを取り壊す工事です。
隣家と壁だけが接しているとは限らない
長屋では、戸境壁だけではなく、柱・梁・屋根・基礎・雨どい・給排水管などが隣家と関係していることがあります。
一戸を取り壊すと、それまで建物内部だった隣家側の壁が外部へ露出します。
そのままでは雨水が浸入する可能性があるため、防水処理や外壁材の施工、屋根端部の雨仕舞いなどが必要です。
構造によっては切り離しによる隣家への影響も確認する必要があるため、解体業者だけで判断せず、必要に応じて建築士などの専門家による確認も検討します。
長屋の切り離し解体費用はいくら?
長屋の切り離し解体には、国や自治体が定めた「1坪○万円」という公的な定額料金はありません。
建物の構造、規模、道路幅、重機が入れるか、隣家の補修範囲、アスベストの有無などによって大きく変わります。
民間の公開事例では100万円台後半から300万円超の例も
民間解体事業者が2026年に公表している参考例では、20坪程度の連棟長屋について、切り離し解体部分を約80万~140万円、隣家の壁補修を50万~150万円程度とし、総額130万~300万円以上となるケースを紹介しています。これはあくまで民間事業者による参考価格であり、奈良県内のすべての物件に当てはまるものではありません。
また、奈良県の実際の解体見積を掲載する民間サービスには、切り離し部分の人力解体や養生などを含み、総額約175万7千円(税別)となった公開見積例もあります。工事内容は物件ごとに異なるため、「長屋ならこの金額」という意味ではありません。
つまり、坪単価だけを見て「100万円くらいで解体できる」と判断するのは危険です。
なぜ普通の戸建より高くなりやすい?
重機が入りにくく手作業が増える
古い長屋は細い路地に面していることが多く、重機や大型トラックを建物の前まで入れられない場合があります。
人力による「手壊し」が増えれば、工期や人件費が増えます。
隣家側の外壁を新しく作る必要がある
切り離し後に露出した壁には、防水下地、外壁材、板金、コーキングなどの工事が必要になることがあります。
解体見積では、**本体解体費だけでなく「切り離し後の隣家補修がどこまで含まれているか」**を必ず確認しましょう。
屋根・雨どい・配管の処理が必要になる
屋根や雨どい、給排水設備などが連続している場合は、単純に切断するだけではありません。
残る隣家が正常に使用できる状態にするための工事費が追加される可能性があります。
アスベスト調査も必要
建築物の解体・改修工事では、石綿(アスベスト)を含む建材が使用されているか、事前調査を行う必要があります。
さらに、解体部分の床面積が80㎡以上の建築物の解体工事については、石綿の有無にかかわらず、事前調査結果の報告が必要です。
石綿含有建材が確認された場合は、建材の種類などに応じた飛散防止措置や適切な除去作業が必要となり、追加費用が発生することがあります。
80㎡以上なら建設リサイクル法の届出も確認
特定建設資材を使用した建築物で、解体する床面積の合計が80㎡以上の場合は、建設リサイクル法の対象となります。
対象工事では、発注者または自主施工者が原則として工事着手の7日前までに所定の届出を行う必要があります。
業者が手続きを代行する場合もあるため、見積時に「誰が届出を行うのか」「費用に含まれているのか」を確認しましょう。
隣家の承諾なしで切り離し解体できる?
長屋の解体では、「自分の家なのだから自由に壊せる」と単純には考えない方が安全です。
自分の所有部分を取り壊すことと、隣地を使用したり、隣家の壁・屋根などへ工事を行ったりすることは別問題です。
民法209条では一定の隣地使用が認められている
民法209条では、境界付近にある建物などの築造・収去・修繕に必要な範囲で、一定の場合に隣地を使用できると定めています。
ただし、使用方法は隣地所有者等への損害が最も少ないものを選び、原則として目的・日時・場所・方法を事前に通知する必要があります。また、隣家の住居内部へ入る場合には居住者の承諾が必要です。
法律上の隣地使用が認められる場面でも、無断で足場を設置したり工事したりしてよいわけではありません。
長屋では工事内容や補修方法について、隣家と事前に書面で整理しておくことがトラブル防止につながります。
解体前に必ず確認したい「再建築」
切り離し解体で特に重要なのが、解体後に建物を建て直せる土地なのかという点です。
奈良市は、建物の敷地について、原則として建築基準法上の幅員4m以上の道路へ2m以上接する必要があると案内しています。
長屋の場合、棟全体では道路に接していても、一戸だけの土地として見ると接道条件を満たしていないことがあります。
一定の場合には建築基準法43条2項の許可などを検討できることもありますが、個別判断となります。奈良市にも同項に基づく許可手続があります。
「古いから更地にしてしまおう」と解体してから再建築不可に気付くことは避けたいところです。
奈良市では特定空家等の除却補助制度もある
奈良市では2026年度、市が「特定空家等」と判断した建物について、一定の要件を満たせば除却工事費の一部を補助しています。
2026年度の制度では、対象となる除却費の2分の1以内、上限30万円です。交付決定前に工事契約や着工をすると補助対象にならないため注意が必要です。
一般的な長屋や空き家がすべて対象になる制度ではありませんので、解体契約前に奈良市へ確認しましょう。
マイダスの実際の長屋対応事例
株式会社マイダスでは、長屋・連棟住宅を実際に取り扱っています。
公式サイトで紹介している事例の一つが、奈良県大和郡山市・築48年の長屋の一部区画です。
一戸のみの長屋部分で売却が難しい状況でしたが、マイダスでは近隣との調整や買取を含めて提案し、売主様の負担を抑える形で取引を進めた事例を公開しています。
これは「どの長屋でも同じ条件で買い取れる」という意味ではありません。
ただ、切り離して更地にしなければ売れないとは限らないことを示す一例です。
マイダスが考える「解体前に査定する」という順番
株式会社マイダスでは、長屋については特に、解体費用を先に支払うよりも、
現状のままならいくらで売却できるか
解体費はいくらかかるか
解体後に再建築できるか
隣家との調整費・補修費はいくらかかるか
を先に比較することが重要だと考えています。
例えば、
「現状のまま300万円で売却できる物件」に200万円をかけて解体し、土地として350万円で売却できたとしても、必ずしも解体した方が手取りが多いとは限りません。
実際には税金、測量、家財処分なども関係するため、売却価格ではなく最終的な手取り額で比較することがポイントです。
解体せず長屋を売却する方法
現状のまま仲介する
建物を改修して自宅や賃貸物件として利用したい買主を探す方法です。
立地や建物状態によっては、古い長屋そのものに需要がある場合もあります。
隣家所有者へ売却する
隣家にとっては、隣接する一戸を取得することで敷地や建物を一体利用できる可能性があります。
一戸だけでは再建築が難しい場合でも、土地をまとめることで条件が変わるケースがあります。
不動産会社による買取を利用する
マイダスでは大阪・兵庫・奈良を中心に、長屋や再建築不可物件などの買取を取り扱っており、公式サイトでも「現状のまま」の買取を案内しています。物件によっては買取できない場合もあるため、個別査定が必要です。
解体費、家財撤去費、補修費を負担してから売却する場合と、現状で売却する場合を比較するとよいでしょう。
よくある質問
長屋の切り離し解体はいくらくらいかかりますか?
公的な定額相場はありません。民間事業者の公開例では100万円台から300万円を超える例まであり、建物規模、手壊しの割合、隣家補修、アスベストなどで大きく変わります。
隣家の外壁補修費は誰が負担しますか?
一律に決まるものではありません。建物の権利関係や工事内容、隣家との合意によって異なるため、工事前に費用負担と補修範囲を書面で確認することが重要です。
解体してから売却した方がよいですか?
必ずしもそうとは限りません。切り離し費用を回収できない場合や、解体後に再建築が難しくなるケースがあります。まず現状で査定を受けて比較しましょう。
家財が残った長屋でも査定できますか?
可能です。株式会社マイダスでは、家財などが残った状態の物件も相談対象としています。物件ごとに条件は異なります。
まとめ
奈良県で長屋を一戸だけ切り離して解体する場合、費用は建物本体の解体だけでは決まりません。
切り離し作業、隣家の外壁・屋根補修、手壊し、アスベスト、家財撤去、道路条件などによって総額は大きく変わります。
さらに重要なのが、解体後の再建築です。
奈良市、大和郡山市、生駒市、天理市、橿原市、大和高田市、香芝市、桜井市などで長屋・連棟住宅を所有している場合は、解体業者と契約する前に、
現状売却した場合
解体して売却した場合
隣家へ売却した場合
不動産会社へ買取を依頼した場合
を比較してみましょう。
株式会社マイダスでは、実際に奈良県内の長屋の買取事例があり、長屋、再建築不可、古家、家財が残った物件などについても現在の状態からご相談いただけます。
「解体してから売る」ではなく、「解体する前に売れる条件を確認する」。
これが、長屋で不要な費用負担を増やさないために、マイダスが重視している考え方です。
査定無料・秘密厳守。仲介、買取、現状渡し、有償引取など、物件ごとの状況に応じた整理方法をご提案します。





