「自宅を売却しようと調べたら、土砂災害特別警戒区域だった」
「何十年も普通に住んでいるのに、違法な家なの?」
「レッドゾーンでは売却も建替えもできない?」
兵庫県では、山や斜面に近い住宅地の一部が**土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)**に指定されています。
結論からいうと、レッドゾーンに入っているという理由だけで、現在の住宅が違法になったり、不動産の売買が禁止されたりするわけではありません。
ただし、建替え時の構造、新たな開発、売買時の説明など、通常の住宅地にはない確認事項があります。
イエローゾーンとレッドゾーンは何が違う?
兵庫県では、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りなどによって生命・身体へ危害が生じるおそれがある区域を**土砂災害警戒区域(イエローゾーン)**としています。
その中でも、土砂災害によって建築物が損壊し、住民の生命・身体へ著しい危害が生じるおそれがある区域が**土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)**です。
レッドゾーンでは、警戒避難だけでなく、一定の開発行為への許可制や建築物の構造規制が加わります。
普通に家が建っているのに、なぜレッドゾーンになる?
現在住宅が建っていることと、区域指定は別問題です。
兵庫県は土砂災害特別警戒区域の指定を2021年5月に県内全域でいったん完了し、2022年度以降も地形改変などによる見直しや対策工事後の解除を進めています。
さらに、都市計画法や盛土規制法などに基づいて適正に造成された宅地でも、地形などが指定要件を満たせば、新たに警戒区域等へ指定される場合があります。
つまり、
「昔から住宅がある=レッドゾーンではない」
とは限りません。
レッドゾーンの中古住宅は売却できる?
売却できる可能性があります。
土砂災害特別警戒区域であることだけを理由に、既存住宅の売買を禁止する制度ではありません。
ただし宅地建物取引業者が売買を仲介する場合、警戒区域内であることや、特別警戒区域に関係する法令上の制限について重要事項として説明する必要があります。兵庫県もこの取扱いを明示しています。
そのため、
「レッドゾーンであることを伏せて、普通の宅地と同じように売る」
のではなく、区域の範囲や建築条件を整理して買主へ説明することが重要です。
レッドゾーンでは家を建替えられない?
一律に建築禁止ではありません。
ただし、レッドゾーン内の居室を有する建築物については、崖崩れや土石流などによる力に対して安全となるよう、建築基準法上の構造規制が関係します。
建築計画によっては、
鉄筋コンクリート造の壁を設ける
建物自体を土砂の力に耐えられる構造にする
建物とは別に防護壁を設ける
などの対策が必要になる場合があります。
したがって、
「今木造2階建てがあるから、壊した後も同じ家をそのまま建てられる」
とは限りません。
売却時には、現在住めるかだけでなく、将来建替える場合にどのような条件が付くのかも重要になります。
分譲住宅やアパート開発にはさらに注意
レッドゾーンでは、すべての住宅建築が「特定開発行為」になるわけではありません。
兵庫県では、
住宅宅地分譲
賃貸住宅建設などの非自己居住用住宅
社会福祉施設・学校・医療施設
などを目的とする一定の開発行為について、知事の許可を必要としています。
対策工事の計画が安全確保のための技術基準に適合していることなどが許可の前提です。
そのため、現在は一戸建てとして利用している土地でも、
「更地にして複数区画へ分譲したい」
「アパートを建築したい」
という場合は、別の検討が必要になることがあります。
レッドゾーンなら土地価格は必ず大幅に下がる?
「レッドゾーンなら何%値下げ」という一律の基準はありません。
実際の価格は、
区域が敷地の全部か一部か
現在の建物状態
道路・接道条件
斜面や擁壁との位置関係
建替え時に必要な対策
地域の住宅需要
などによって変わります。
例えば、レッドゾーンが敷地の端だけにかかっている土地と、建物全体が区域内に入っている土地では買主の判断も異なります。
そのためマイダスでは、「レッドゾーンだから売れない」と先に結論を出すのではなく、区域線と建物位置を重ねて確認することが重要だと考えています。
対策工事をすればレッドゾーンは解除される?
工事をしただけで自動的に解除されるわけではありません。
兵庫県では、対策施設の施工によってレッドゾーンの解除を希望する場合、施工前に所管の土木事務所等と事前協議を行う仕組みを設けています。
また、防災工事によって安全性が高まりレッドゾーンが解除されても、イエローゾーンまで同時に解除されるとは限りません。
兵庫県は、イエローゾーンについては地形上の指定理由そのものがなくなった場合などを除き、原則として防災工事だけでは解除しないと説明しています。
防護壁や移転への支援制度もある
レッドゾーンにある住宅については、防護や移転を支援する制度もあります。
兵庫県が2026年3月に改定した計画資料では、住宅・建築物土砂災害対策支援事業として、既存住宅の防護壁等整備や移転について補助制度を設けています。防護壁等整備は一定条件で費用の2分の1、住宅では通常75万円、地形等により必要と認められる場合は150万円を限度とする内容が示されています。
ただし、市町による制度実施や住宅の条件などによって利用可否は異なります。
売却前に高額な工事を決めるのではなく、現在使える制度と現状売却の両方を比較することが重要です。
[YouTube動画挿入位置]
マイダスが考えるレッドゾーン物件の確認順序
土砂災害特別警戒区域の住宅を売却するときは、次の順序で整理すると分かりやすくなります。
①イエロー・レッドのどちらなのか確認する
②敷地のどの部分まで区域に入っているか確認する
③建物が区域内のどこに建っているか確認する
④現在利用する場合と建替える場合を分けて考える
⑤道路・擁壁・高低差など他の条件も確認する
⑥対策工事後と現状売却の価格を比較する
現時点では、マイダス公式サイト上で**「兵庫県の土砂災害特別警戒区域内の物件を買い取った」と明記された個別成約事例は確認できなかったため、実在しない事例は掲載していません。**
よくある質問
レッドゾーンに指定されたら、今の家は違法になりますか?
区域指定されたという理由だけで、既存住宅が直ちに違法建築になるわけではありません。ただし、将来建替えや増改築を行う際には現在の構造規制等を確認する必要があります。
レッドゾーンでも家を売却できますか?
売却できる可能性があります。区域の指定状況、建物位置、建替え条件などを整理し、買主へ必要な説明を行います。
レッドゾーンならすぐ取り壊さなければいけませんか?
区域指定だけで既存住宅すべてに取り壊しが求められる制度ではありません。ただし、著しい危害が生じるおそれのある建築物について、都道府県知事が安全な区域への移転等を勧告できる制度があります。
自宅がレッドゾーンか調べられますか?
兵庫県CGハザードマップで確認できます。ただし、指定・解除は見直されることがあるため、売却や建築など重要な判断をするときは兵庫県、市町、所管土木事務所の最新情報を確認しましょう。兵庫県は2026年9月時点でも区域の見直し・指定情報を更新しています。
まとめ
神戸市、西宮市、芦屋市、宝塚市、川西市、三田市、明石市、加古川市、姫路市など、兵庫県には山や斜面に近い住宅地が数多くあります。
同じ住宅街でも、
区域外
イエローゾーン
レッドゾーン
が数軒単位で分かれていることもあります。
しかし、
「レッドゾーン=違法建築」
でも、
「レッドゾーン=売却できない」
でもありません。
重要なのは、敷地のどこまで区域に入り、現在の住宅利用と将来の建替えにどのような影響があるのかを具体的に確認することです。
株式会社マイダスでは、土砂災害特別警戒区域にかかる住宅・土地をはじめ、高低差や古い擁壁、再建築不可、無道路地、旗竿地、市街化調整区域など、一般的な不動産より条件確認が必要な物件についてもご相談いただけます。
「レッドゾーン」という言葉だけで価値を決めず、区域・建物・建替え条件・対策費まで分けて確認する。
これが、土砂災害特別警戒区域にある不動産を売却するときの重要な第一歩です。
査定無料・秘密厳守。仲介、買取、現状渡し、有償引取など、現在の区域指定と土地・建物条件を確認しながら、物件に合った整理方法をご提案します。





