「自宅を売却しようとしたら、敷地の一部が都市計画道路予定地だと言われた」
「道路工事なんてしていないのに、本当に将来道路になるの?」
「道路予定地に入っている家でも売却できる?」
長年普通に暮らしてきた家でも、都市計画を調べると敷地の一部や建物の上を横切るように道路の計画線が入っていることがあります。
結論からいうと、都市計画道路の区域に入っているだけで、家や土地の売買が一律に禁止されるわけではありません。
ただし、
まだ計画段階なのか
すでに事業認可されているのか
敷地のどこまで道路予定地なのか
建替え時にどのような制限があるのか
によって、不動産としての条件は大きく変わります。
都市計画道路とは?
都市計画道路とは、将来の交通、防災、土地利用などを考えて都市計画として位置付けられた道路です。
重要なのは、都市計画決定された時点ですぐ道路工事が始まるわけではないことです。
大阪市には2026年4月1日時点で190路線、計514kmの都市計画道路があり、整備進捗率は81%とされています。つまり、現在も計画・事業中の区間が残っています。
大阪市では今後10年間の整備見通しを示す整備プログラムも策定しており、路線ごとに進捗状況は異なります。
道路予定地に普通の家が建っているのはなぜ?
都市計画道路予定地だからといって、一切建築できないわけではありません。
大阪市では、都市計画道路などの区域内で建築する場合、原則として都市計画法第53条の許可が必要です。
大阪市の一般的な許可基準では、
地階を有しない2階以下
木造・鉄骨造・コンクリートブロック造など
容易に移転・除却できる建物
であることなどが求められます。
一部の都市計画施設区域では、一定条件を満たせば3階建てが認められる場合もあります。
大阪府内でも許可権者は自治体によって異なるため、大阪市以外では所在地の市町村などへの確認が必要です。
つまり、
「都市計画道路予定地に家が建っている=違法」
ということではありません。
最も重要なのは「計画段階」か「事業中」か
売却するときに特に確認したいのが、道路計画の進捗状況です。
まだ都市計画決定だけの場合
道路計画は存在するものの、まだ都市計画事業の認可を受けていない段階です。
建物を建築する場合は第53条の許可が問題になります。
すでに事業認可されている場合
事業認可の告示後は、都市計画法第65条による制限が関係します。
大阪市では、事業区域内での建築物の建築や土地の形質変更などは原則として制限され、事業の施行に支障がない場合に許可を受けられることがあると案内しています。
つまり、
「都市計画道路に入っているか」だけではなく、「今どの段階なのか」まで確認することが重要です。
道路予定地なら、いつか必ず道路になる?
「近いうちに必ず道路になる」とは限りません。
都市計画道路には、長期間事業に着手していない路線もあります。
大阪市では長期未着手の都市計画道路について必要性を検証し、過去には一部区域の都市計画を廃止した実績もあります。
そのため、
「計画線があるから数年後には立ち退きになる」
と自己判断するのは適切ではありません。
一方で、都市計画が残っている以上、建築制限等は関係します。
計画の有無と事業化の時期は別問題として確認しましょう。
自分の土地が都市計画道路にかかっているか調べる方法
大阪市では「マップナビおおさか」で都市計画道路などの情報を確認できます。
ただし、公開地図はあくまで参考図です。
大阪市も、現在の正確な都市計画決定状況については、市役所の都市計画案内コーナーにある縮尺2,500分の1の縦覧図書で確認するよう案内しています。
売却査定では、
都市計画道路にかかるか
だけでなく、
敷地のどの部分が、どの程度かかるのか
まで確認することが重要です。
敷地の一部分だけが道路予定地の場合もある
都市計画道路は、必ずしも敷地全体にかかるとは限りません。
例えば、
道路側の数メートルだけ
庭の一部
建物の端
敷地を斜めに横断
といった場合があります。
100㎡の土地の5㎡だけが区域内なのか、土地の半分近くが含まれるのかでは、買主が考える将来の建物配置も大きく変わります。
特に将来道路用地となった部分を除いた残りの敷地の形・面積・接道がどうなるのかは、買主にとって重要な判断材料です。
都市計画道路予定地の家・土地は売却できる?
売却できる可能性があります。
ただし買主は、
現在の建物をそのまま利用できるか
建替え時に53条許可が必要か
すでに事業中ではないか
計画道路に何㎡程度かかっているか
道路整備後に残る土地をどう利用できるか
を確認します。
したがって、
「都市計画道路だから価値がない」
とも、
「道路ができていないから普通の土地と同じ」
とも言い切れません。
事業中の道路では「売却時の届出」が必要になる場合もある
ここは見落としやすいポイントです。
都市計画事業の認可後、事業地内の土地・建物等を有償で譲渡する場合には、都市計画法第67条による届出が必要になることがあります。
大阪市が2025年に事業着手した勝山通線の案内では、売却予定価格や相手方などを事業施行者へ届け出る必要があり、届出後30日以内は一定の売却制限が生じる仕組みが案内されています。
したがって、事業中の土地は「売却できない」のではなく、通常の土地売買にはない手続きが加わる場合があると考える方が正確です。
200㎡以上なら公拡法の届出にも注意
さらに大阪市では、都市計画道路・都市計画公園などの区域にかかる200㎡以上の土地を有償譲渡する場合、公有地の拡大の推進に関する法律、いわゆる公拡法の届出が必要になることがあります。
都市計画施設にかかっている部分自体が200㎡未満でも、譲渡する土地全体が200㎡以上であれば対象になる場合があります。
これは第53条の建築許可とは別の制度です。
マイダスが考える都市計画道路予定地の確認順序
株式会社マイダスでは、都市計画道路予定地について、
「将来道路になるから売れない」
とすぐ判断するのではなく、次の順番で確認することが重要だと考えています。
①都市計画道路の正確な区域を確認する
②敷地の何㎡程度がかかっているか確認する
③計画段階か、事業認可済みか確認する
④現在の建物利用と将来の建替え条件を確認する
⑤道路整備後に残る土地の形・利用方法を考える
⑥現在の状態で売却した場合の価格を確認する
現時点では、マイダス公式サイト上で「都市計画道路予定地」を明記した個別の大阪府内買取事例は確認できなかったため、実在しない取引事例は掲載していません。
[YouTube動画挿入位置]
よくある質問
都市計画道路予定地の家は売却できますか?
売却できる可能性があります。計画道路の範囲、事業進捗、建築制限、残地の利用条件などを整理して買主へ説明します。
道路予定地に入っていると再建築不可ですか?
必ずしも再建築不可ではありません。事業認可前の区域では、都市計画法第53条の許可を受けて建築できる場合があります。大阪市では一般に地階なし・2階以下などの許可基準があります。
都市計画道路は必ず完成しますか?
都市計画が決定されていても、事業着手まで長期間かかる路線があります。また、必要性の検証によって都市計画が見直された例もあります。現在の計画と整備見通しを確認することが重要です。
マップナビおおさかだけで判断できますか?
参考情報として利用できますが、大阪市は正確な都市計画決定状況について縦覧図書で確認するよう案内しています。
道路事業が始まった土地でも売却できますか?
売却できる場合がありますが、第67条による届出など通常の土地売買とは異なる手続きが必要になることがあります。
まとめ
大阪府で自宅や土地が都市計画道路にかかっていると分かったとしても、
「将来道路になる土地だから売れない」
と決めつける必要はありません。
大阪市24区、堺市、東大阪市、八尾市、豊中市、吹田市、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、大東市、四條畷市、交野市などで都市計画道路予定地の不動産を所有している場合は、
計画線がどこを通るのか
敷地のどの程度が対象なのか
まだ計画段階なのか
すでに事業中なのか
残った土地をどう利用できるのか
を確認しましょう。
株式会社マイダスでは、都市計画道路予定地をはじめ、再建築不可、無道路地、私道、狭小地、変形地、市街化調整区域など、一般的な売却より条件確認が必要な不動産についてもご相談いただけます。
「将来道路になるかもしれない」という情報だけで判断するのではなく、現在の都市計画と事業進捗、敷地への影響を具体的に確認する。
これが、都市計画道路予定地の不動産を売却するときに重要な第一歩です。
査定無料・秘密厳守。仲介、買取、現状渡し、有償引取など、都市計画と現在の土地条件を確認しながら、物件に合った整理方法をご提案します。





