「更地を購入して掘ったら、昔の建物の基礎が出てきた」
「解体済みの土地なのに、地中から浄化槽が見つかった」
「相続した土地なので、昔井戸があったかどうか分からない」
一見きれいな更地でも、地面の下まで何も残っていないとは限りません。
過去の建物や土地利用に由来するコンクリート基礎、浄化槽、井戸、建築廃材などが地中に残っていることがあります。
結論からいうと、地中埋設物があるという理由だけで、土地が売却できなくなるわけではありません。
重要なのは、
何が埋まっているのか
どこに、どの程度あるのか
建築計画へ影響するのか
売主が把握している情報は何か
誰が撤去費用を負担する契約なのか
を整理することです。
地中埋設物とは?
「地中埋設物」という言葉だけで特定の一種類の物を指すわけではありません。
不動産取引では、過去の建物や利用方法に由来して、土地の地下へ残っている構造物・廃材などを指して使われます。
国土交通省が公表している物件状況等報告書の参考資料では、**「敷地内残存物」**として、
旧建物基礎
浄化槽
井戸
建築廃材、いわゆるガラ
などを具体的に挙げています。
つまり、建物が解体されて見た目が更地になっていても、地下まで完全に撤去されているとは限りません。
なぜ更地の下から昔の基礎が出てくる?
例えば、現在の建物より前にも住宅が建っていた土地では、昔の基礎の一部が地中に残っている場合があります。
ほかにも、
昔の離れを解体した
公共下水へ切り替える前に浄化槽を使っていた
井戸を埋め戻した
過去の解体時にコンクリート片等が残った
といったケースがあります。
特に相続した土地では、現在の所有者自身が30年、40年前の土地利用を知らないことも珍しくありません。
地中から古い基礎が出たら土地は売れない?
売却できる可能性があります。
問題になるのは、埋設物が買主の予定する利用にどの程度影響するかです。
例えば、新築住宅の基礎予定位置から大きなコンクリート基礎が見つかれば、撤去が必要になる可能性があります。
一方、敷地の端に小規模な残存物があり、建築工事へほとんど影響しないケースも考えられます。
実際、不動産適正取引推進機構が紹介する裁判例でも、地中に排水管や隣地塀の基礎部分などが存在していたものの、住宅建設への大きな障害とは認められず、土地全体に埋設物がないことが契約内容だったとも認められないとして、買主の請求が棄却された事例があります。
「何か出た=必ず売主負担」ではないということです。
売主が地中埋設物を知らなかった場合はどうなる?
現在の民法では、引き渡された不動産が種類・品質・数量について契約内容に適合していない場合、一定の要件のもとで買主が修補などの履行追完や代金減額等を求められる制度があります。
ただし、
地中埋設物が発見されたら必ず契約不適合になる
という意味ではありません。
実際には、
売買契約でどのような土地を引き渡す約束だったか
埋設物が予定していた建築を妨げるか
売主がその存在を把握していたか
物件状況等報告書に何と記載したか
契約で責任範囲をどう取り決めたか
などによって判断が変わります。
そのため、知っている事実を正確に伝えることが重要です。
「分からない」のに「ありません」と書かない
相続した土地では、
「昔井戸があったか分からない」
「解体は父がしたので工事内容を知らない」
ということがあります。
この場合、無理に「ない」と断定する必要はありません。
不動産適正取引推進機構の2026年公表事例にも、土地からコンクリート枡等が見つかり、物件状況等報告書で「不明」ではなく「無」としたことなどをめぐって紛争になった事例があります。最終的に買主の請求は棄却されていますが、分からないことをどのように説明するかが取引上重要であることが分かります。
売却前に敷地全部を掘る必要はある?
通常の土地売却で、毎回敷地全体を掘削して確認するわけではありません。
まず確認したいのは土地の履歴です。
以前どこに建物があったか
過去に建て替えたことがあるか
浄化槽を使っていたか
井戸が存在したか
解体工事の資料や写真が残っているか
以前の所有者から聞いた話がないか
などを確認します。
過去の建物図面、航空写真、解体工事の見積書・契約書などが残っていれば参考になります。
必要性が高い場合は、買主の建築計画なども踏まえて専門業者による調査を検討します。
井戸が見つかった場合は?
古い住宅地では、現在使用していない井戸が残っている場合があります。
井戸も国土交通省の物件状況等報告書で敷地内残存物の例として挙げられています。
なお、現在井戸から地下水を採取する場合は、場所・設備・用途などによって規制が関係する場合があります。
大阪府では、動力を用いる一定規模以上の揚水設備について、地下水採取量の報告や、用途・地域によって許可などの規制を設けています。府内の一部自治体には独自の地下水規制もあります。
昔の井戸があるというだけで直ちに問題になるわけではありませんが、現在利用する場合は別途確認しましょう。
古家は解体してから売った方がいい?
必ずしも先に解体した方がよいとは限りません。
解体すると、
建物解体費
地中基礎の撤去費
浄化槽の撤去
ガラ等の処分費
埋め戻し費用
などが追加で必要になる可能性があります。
しかも、その費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。
そのため、
①古家付きのまま査定する
②解体費を確認する
③地中残存物が判明した場合の追加費用も確認する
④更地にした場合の売却価格と比較する
という順番で考える方法があります。
マイダスの実例|解体せず古家付きの状態で買取
株式会社マイダスでは、大阪府内で古家付き土地を現状のまま買い取った実例を公開しています。
大阪市北区では、所有者様が解体費用が高額になることに困っていた古家付き土地について、問い合わせから3日で査定し、査定額900万円に対して1,000万円で買取した事例を掲載しています。
また、高槻市では、更地にして売るか古家のまま売るか迷っていた土地を、現状のまま買い取った事例も公開しています。
これらは「地中埋設物が見つかった物件」の事例ではありません。
現時点でマイダス公式サイト上に、地中埋設物を明記した個別買取事例は確認できなかったため、実在しない事例は掲載していません。
ただし、地下の状態まで確認できていない古家についても、所有者側で先に解体するのではなく、現状から査定を比較する方法があることを示す事例です。
地中埋設物が疑われる土地で確認したい5つのこと
1.過去にどのような建物があったか
2.建替え・解体の履歴があるか
3.浄化槽・井戸を使っていた可能性があるか
4.分かっている地中残存物を買主へ説明できるか
5.撤去して売る場合と現状売却の手取りを比較したか
特に大切なのは、知らないことまで「ない」と断定しないことです。
よくある質問
更地なら地中には何もないと考えてよいですか?
そうとは限りません。国土交通省の参考資料でも、旧建物基礎、浄化槽、井戸、建築廃材などが敷地内に残っているケースを想定しています。
地中埋設物があっても売却できますか?
売却できる可能性があります。種類・位置・建築への影響・契約条件などを整理して判断します。
地中埋設物が見つかったら売主が必ず撤去費を払いますか?
一律には決まりません。契約内容、売主・買主の認識、埋設物が予定用途へ与える影響などによって判断が異なります。
相続したので昔の状態が分かりません。
分かる範囲で過去の図面、写真、解体資料などを確認します。確認できない事項については「不明」であることも含めて不動産会社へ伝えましょう。
古家を壊してから査定した方がよいですか?
必ずしも必要ありません。解体後に地中基礎や浄化槽などが発見される可能性もあるため、まず古家付きの現状と、更地にした場合の手取りを比較する方法があります。
まとめ
大阪府で土地や古家付き土地を売却するときは、現在地上に何があるかだけでなく、過去にその土地がどう使われていたかも重要です。
大阪市24区、堺市、東大阪市、八尾市、守口市、門真市、寝屋川市、枚方市、豊中市、吹田市、池田市、箕面市、茨木市、高槻市など、古くから住宅が建ち並ぶ地域では、複数回建て替えられた土地もあります。
現在はきれいな更地でも、地下には昔の基礎、浄化槽、井戸などが残っている可能性があります。
株式会社マイダスでは、古家付き土地、再建築不可、無道路地、狭小地、変形地、長屋など、一般的な売却より条件整理が必要な不動産についても相談を受けています。
「更地にすれば問題がなくなる」と考えて先に解体するのではなく、古家がある状態での価格、解体費、地中残存物の可能性、更地価格まで比較する。
これが、想定外の出費を増やさず土地を整理するために重要な考え方です。
査定無料・秘密厳守。仲介、買取、現状渡し、有償引取など、解体前の状態から物件に合った整理方法をご提案します。





