賃借権とは?不動産取引に欠かせない「借りる権利」
- 新着情報
- 2025/12/22
大阪府
藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、島本町、豊能町、能勢町、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪村 ☆対応エリア
【空き家・中古戸建・長屋・空き地・土地・マンション・アパート・田畑・店舗・再建築不可・他社NG物件・相続不動産・不要不動産引取・いらない不動産・不動産処分】
賃借権(ちんしゃくけん)とは、賃借人(借りる側)が賃料を支払うことで、土地や建物などの物を使用できる権利をいいます。
不動産に関しては大きく次の二つに分けられます。
-
土地を借りる場合 … 借地権
-
建物を借りる場合 … 借家権
一般的に「借地権」と呼ばれる権利は、この「賃借権」を指します。
借地権にはもうひとつ「地上権」という形態もありますが、実際の流通で大半を占めるのは賃借権であり、地上権は稀です。
そのため、不動産実務や契約書では「賃借権=借地権」として扱われることがほとんどです。
登記と対抗力の関係
不動産に関する権利は、原則として登記をしなければ第三者に主張できません。これを「対抗力」と呼びます。
例えば、Aさんから土地を借りて建物を建てていた場合、その土地が第三者Bに売却されてしまうと、登記がなければ「出ていってほしい」と言われる可能性があります。これが「登記がない賃借権の弱さ」です。
ただし、借地借家法は賃借人を守るため、登記がなくても対抗力を認める措置を用意しています。
-
借地 … 借地人が建てた建物に表題登記または保存登記をすれば対抗可能
-
借家 … 建物の引き渡しを受けていれば対抗可能
この仕組みによって、多くの賃借人が登記をしなくても安心して利用できるのです。
土地賃借権の調べ方
土地の登記簿を見ても、賃借権の記載がほとんどないため、実際に権利関係を把握するには別の調査が必要です。
-
土地上の建物登記を確認
土地の所有者とは異なる人の名義で建物が登記されている場合、その土地には賃借権が設定されている可能性が高いです。 -
固定資産課税台帳を調べる
誰に課税されているかで利用関係を推測できます。 -
現地調査
実際に人が居住しているか、利用しているかを確認することで、未登記の契約実態が見えてきます。
賃借権のメリットとデメリット
メリット
-
契約期間中は安定的に土地・建物を使用できる
-
借地権や借家権として売却・相続が可能な場合もある
-
事業用不動産では投資や資産運用の手段となる
デメリット
-
登記がなければ第三者に弱い
-
建物の増改築や用途変更に制限がある
-
契約更新時に条件変更や承諾料が発生するケースがある
実務上の注意点
-
契約書を必ず確認
契約期間、更新料、建替承諾料などがどう記載されているかが重要です。 -
相続発生時の承継問題
相続人が賃借権を引き継げるかどうかは法律上認められていますが、地主との関係調整が必要になる場合があります。 -
売買時の影響
賃借権付きの土地(借地権付き建物など)は市場価値が下がる傾向があり、金融機関の融資にも影響するため、事前確認が欠かせません。
よくあるQ&A
Q1. 賃借権は売却できますか?
→ 借地権付き建物として売却することが可能です。ただし、地主の承諾や承諾料が必要になる場合があります。
Q2. 登記がないと危険ですか?
→ 借地の場合は建物登記、借家の場合は引渡しがあれば保護されますが、登記があればより安心です。
Q3. 賃借権は相続できますか?
→ 相続は法律上当然に承継されます。ただし、地主への通知や条件確認を怠らないことが大切です。
Q4. 契約期間が切れたらどうなる?
→ 借地借家法により、正当な事由がない限り契約は更新される仕組みです。地主からの一方的な終了は難しいとされています。
まとめ
賃借権は、土地や建物を借りて生活や事業を行うための基本的な権利です。登記がなくても一定の保護は受けられますが、取引や相続では権利関係が複雑化しやすく、事前の調査が欠かせません。
不動産の売買・相続・活用を考える際には、「賃借権があるのか」「その権利はどう守られているのか」をしっかり確認することが、安心で安全な取引の第一歩となります。










