「親から長屋を相続したものの、売却するべきか残すべきか分からない」
「思い出のある実家なので手放しにくいが、自分で管理するのは難しい」
「将来使う可能性があるので、とりあえず所有しておいた方がよいのだろうか」
神戸市長田区・兵庫区・須磨区、尼崎市、明石市、姫路市など、古くから住宅が建ち並ぶ地域では、相続した長屋や連棟住宅を今後どうするか悩むケースがあります。
結論からいうと、相続した長屋は「売却した方がよい」「保有した方がよい」と一律には判断できません。
保有を検討しやすいのは、将来の利用予定が具体的で、管理する人と修繕費の負担方法が決まっている場合です。
一方、
利用予定が決まっていない
遠方で管理が難しい
修繕費が増えている
相続人が複数いる
接道・再建築に不安がある
といった場合は、現在の売却価格を確認して、保有を続けた場合の負担と比較する意味があります。
長屋は一般的な戸建住宅とは異なり、隣家と壁・屋根・柱などがつながっている場合があります。
そのため、「思い出があるから残す」「古いから売る」とすぐ決めるのではなく、5年後、10年後まで含めた管理負担と利用方法を考えることが大切です。
相続した長屋は売却できる?
はい。相続した長屋・連棟住宅でも売却できる可能性があります。
築年数が古い、空き家になっている、家財が残っている、再建築に問題があるといった理由だけで、売却できないと決まるわけではありません。
主な売却先としては、
一般の住宅購入者
賃貸運用を考える投資家
隣接住戸の所有者
長屋を扱う不動産会社
などが考えられます。
ただし、一般的な戸建住宅より、登記・接道・建物構造・隣家との関係を詳しく確認する必要があります。
相続した長屋で最初に確認するのは「名義」
売却する場合でも保有する場合でも、まず土地と建物の登記名義を確認します。
相続登記は2024年から義務化
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
遺産分割によって不動産を取得した場合も、遺産分割成立から3年以内に、その内容を反映した登記が必要です。
正当な理由なく義務を履行しなかった場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
また、2024年4月1日より前に発生した相続で未登記の不動産も対象です。すでに相続したことを知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。
長屋は「どこまで自分の所有物か」も確認する
見た目では一戸ずつ独立していても、
土地だけ共有
建物全体が共有
一棟の一部だけを所有
増築部分が未登記
といったケースがあります。
土地・建物の登記事項証明書、公図、建物図面などから、誰が何を所有しているのかを整理しましょう。
売却と保有、どちらを検討しやすい?
判断するときは、現在の価格だけを見るのではなく、今後発生する負担まで比較します。
| 確認項目 | 保有を検討しやすい状態 | 売却を検討しやすい状態 |
|---|---|---|
| 今後の利用 | 数年以内に利用予定がある | 具体的な利用予定がない |
| 管理 | 定期的に管理できる人がいる | 遠方などで管理が難しい |
| 修繕 | 費用負担の見通しが立つ | 老朽化し修繕負担が大きい |
| 相続人 | 意向・費用負担が整理済み | 意見がまとまらない |
| 建物 | 利用可能な状態 | 雨漏り・腐食等が進行 |
| 将来性 | 活用計画が具体的 | 再建築・接道に不安がある |
迷っている場合は、**「今売った場合の価格」と「5年間保有した場合に必要となる税金・管理・修繕費」**を分けて考えると判断しやすくなります。
長屋を保有するとどのような費用・負担が続く?
「使わないけれど、とりあえず残す」という選択もできます。
しかし、所有している間は、固定資産税だけでなく、建物管理や修繕も続きます。
人が住まない家でも劣化は進む
空き家では、
雨漏り
屋根・外壁の劣化
湿気や木材の腐食
庭木・雑草の繁茂
害虫・害獣
不法侵入
などが問題になる場合があります。
長屋の場合、自分の一戸の雨漏りや腐食が、隣接住戸に影響する可能性もあります。
マイダスの実例|管理を続けていた長屋は建物状態にも差が出た
株式会社マイダスが公開している神戸市長田区高取山町の中古テラスハウスは、相続後に誰も住んでいなかった物件です。
ただし、所有者様が年に数回現地を訪れ、風を通したり、床材を上げて空気の流れをよくしたりしていたため、空き家でありながら建物状態は比較的良好だったと紹介されています。
これはすべての空き家に同じ結果が出るという意味ではありませんが、**「誰も住んでいなくても管理の有無が建物状態に影響する」**ことを示す実際の事例です。
保有するのであれば、「誰が、どのくらいの頻度で管理するか」まで決めておくことが重要です。
空き家にすると固定資産税はすぐ高くなる?
空き家になっただけで、直ちに住宅用地特例がなくなるわけではありません。
住宅用地には、小規模住宅用地200㎡以下の部分について、固定資産税の課税標準を6分の1とする特例があります。
ただし、適切に管理されていない空き家について自治体から「管理不全空家」や「特定空家」として指導を受け、改善せず勧告を受けると、敷地が住宅用地特例の対象外になる場合があります。
つまり、
「税金のために建物を残しておけばよい」
という制度ではありません。
利用しない長屋を保有する場合も、適切な管理が必要です。
長屋は自分の一戸だけで修繕できない場合がある
長屋・連棟住宅では、
戸境壁
柱・梁
屋根
基礎
雨どい
給排水設備
などが隣家と関係している場合があります。
例えば雨漏りの原因が隣接住戸との境界付近にあれば、自分の一戸だけ工事して解決できないことがあります。
屋根や構造部分に関わる修繕では、隣家所有者との協議が必要になる可能性があります。
そのため保有する場合は、自宅部分の修繕費だけではなく、将来隣家との共同調整が必要になる可能性も考えておきましょう。
耐震改修して長屋を残す方法もある
長屋を今後利用したい場合には、耐震診断や耐震改修を検討できることがあります。
神戸市では2026年度、一定の条件を満たす長屋住宅・共同住宅について耐震改修補助を実施しています。
長屋住宅・共同住宅の耐震改修工事では、上限50万円×戸数などの補助基準が設けられています。
さらに2026年10月1日からは、従来の1981年5月31日以前着工の住宅に加え、一定条件を満たす2000年5月31日以前着工の木造住宅まで対象が拡大されています。
ただし、
「補助金があるから改修した方がよい」
とは限りません。
自己負担額、今後何年間利用するのか、隣家との調整、売却価格などを比較して判断する必要があります。
兵庫県には空き家活用の補助制度もある
「売却せず活用したい」という場合は、所在地によって補助制度を利用できる可能性があります。
兵庫県では2026年度も、一戸建ての空き家や共同住宅の空き住戸を住宅・事業所・地域交流拠点として活用する場合に、改修費の一部を助成する「空き家活用支援事業」を実施しています。
ただし県制度は原則として、
神戸市
姫路市
尼崎市
西宮市
明石市
を対象地域から除いており、一部例外があります。これらの市では、市独自制度も含めて確認する必要があります。
相続した長屋を保有しやすいのはどんな場合?
数年以内に使う予定が具体的にある
自分や家族が住む、事務所として利用するなど、時期と用途が決まっている場合です。
「いつか使うかもしれない」だけではなく、
いつから
誰が
何に使うのか
まで具体化できるかがポイントです。
管理する人が決まっている
相続人が複数いるなら、
誰が現地を確認するのか
固定資産税を誰が払うのか
屋根修理が必要になったとき誰が負担するのか
まで決めておきましょう。
改修後の収支が分かっている
賃貸運用する場合には、家賃だけを見るのではなく、
改修費
空室期間
管理費
固定資産税
将来の修繕費
を考慮します。
「貸せそうだから残す」ではなく、改修費を何年で回収できるのかまで確認することが重要です。
売却を検討しやすい長屋とは?
将来の利用予定が決まっていない
「子どもがいつか住むかもしれない」という状態で10年保有すれば、その間にも建物は古くなります。
具体的な使用予定がない場合は、一度現在の査定価格を確認する意味があります。
遠方に住んでいて管理が難しい
兵庫県外に住んでいる場合、台風後の屋根破損や雨漏りなどにすぐ気付けないことがあります。
管理会社を利用する場合は、その費用も保有コストです。
相続人が増える前に整理したい
相続登記をせずに放置し、さらに次の相続が発生すると、関係する相続人が増えることがあります。
法務省も、相続登記を行わないまま新たな相続が発生すると、相続人が増え、調査・登記に時間や費用がかかるおそれがあると案内しています。
明確な利用目的がないのであれば、権利関係を整理しやすい段階で売却を検討する方法もあります。
マイダスの実例|相続した尼崎市のテラスハウスを売却
株式会社マイダスでは、兵庫県尼崎市で相続した中古テラスハウスの取扱事例を公開しています。
所有者様は、相続後の今後の管理を考えて売却を検討していましたが、なかなか買主が見つからず困っていたためマイダスへ相談し、査定・売却へ進んだ事例です。
この事例のように、相続した長屋について、
利用予定はないが、管理だけが続いている
という場合には、一度売却価格を確認することで選択肢を比較しやすくなります。
すべての長屋を同じ条件で買い取れるわけではありませんが、「一般市場ですぐ買主が見つからない=売却できない」ではありません。
売却前に接道と再建築を確認する
長屋では、現在建物が存在することと、将来同じように建て替えられることは別問題です。
棟全体では道路に接していても、一戸単独の敷地として見ると接道条件を満たしていないケースがあります。
私道、専用通路、他人名義の通路などが関係する場合もあります。
再建築できるかどうかは売却価格や買主の融資にも関係するため、道路種別・接道幅・通路の権利関係を確認しておきましょう。
相続した長屋は先に解体しない方がよい?
解体前に査定することをおすすめします。
長屋は一般的な戸建住宅と違い、一戸だけ解体すると、
隣家との切り離し
露出する壁の外壁工事
防水
屋根・雨どいの処理
構造補強
などが必要になる場合があります。
さらに、解体してから接道条件を調べた結果、
「新しい建物を建てにくい土地だった」
と判明する可能性もあります。
建物を残した状態なら利用できる買主がいても、更地にすると購入者がさらに限定されるケースがあります。
そのため、解体費を支払う前に「現状ならいくらで売れるのか」を確認することが重要です。
相続した長屋の主な売却方法
仲介で買主を探す
立地や建物状態がよく、リフォームして利用できる場合は、一般の住宅購入者や投資家へ販売する方法があります。
価格を重視しやすい一方、売却期間や内覧対応が必要です。
隣接住戸の所有者へ売却する
隣家が購入すれば、複数戸を一体利用できる可能性があります。
単独では利用しにくい土地でも、隣地と組み合わせることで使いやすくなる場合があります。
不動産会社による買取
一般市場では売却しにくい長屋では、不動産会社へ直接売却する方法もあります。
株式会社マイダスでは、公式サイト上でも長屋、古家、再建築不可、相続不動産などを相談対象としており、リフォーム・清掃をせず現状での買取を案内しています。物件条件によっては買取できない場合があります。
マイダスが考える「保有か売却か」の判断基準
株式会社マイダスでは、相続した長屋について**「今いくらで売れるか」だけで決めないこと**が重要だと考えています。
確認したいのは、
今後本当に使う予定があるか
誰が管理するのか
固定資産税・保険・修繕費を負担できるか
隣家と必要な協議ができるか
接道・再建築条件に問題がないか
相続人全員の方針が決まっているか
という点です。
特に重要なのが、
「保有する理由がある」のか、「売る決断ができないだけ」なのか
を分けて考えることです。
明確な利用計画があり、管理・修繕を続けられるのであれば、長屋を残すことにも意味があります。
一方、利用予定がなく管理負担だけが続くのであれば、建物状態がさらに悪化する前に現在の価格を確認することも一つの方法です。
よくある質問
相続した長屋は売却できますか?
売却できる可能性があります。築年数、接道、建物状態、登記などによって条件は異なりますが、一般の購入者、投資家、隣家所有者、不動産会社などが買主になる場合があります。
相続した長屋は売るべきですか?残すべきですか?
一律には判断できません。具体的な利用予定、管理する人、修繕費、接道・再建築、相続人の意向を確認し、保有コストと現在の売却価格を比較して判断します。
長屋を空き家のまま所有しても大丈夫ですか?
空き家だから直ちに問題になるわけではありませんが、定期的な管理が必要です。管理不全空家等として勧告を受けた場合は住宅用地特例の対象外になる可能性があります。
相続登記が終わっていなくても査定できますか?
査定や売却相談は可能です。ただし、第三者へ所有権を移転するためには必要な相続登記を整理する必要があります。
長屋を賃貸として残す方法はありますか?
可能な場合があります。ただし、改修費、想定賃料、空室期間、管理費、修繕費などを計算し、収支を確認することが重要です。
家財が残ったままでも相談できますか?
可能です。株式会社マイダスでは、相続物件や空き家について、清掃・リフォーム前の現状からの相談を案内しています。
解体してから売った方がよいですか?
長屋では先に解体しない方がよい場合があります。切り離し工事が必要になるほか、解体後に再建築条件の問題が分かることもあるため、まず現状査定と道路調査を行いましょう。
まとめ
兵庫県で相続した長屋は、「売却」と「保有」のどちらが必ず正解というものではありません。
保有を検討しやすいのは、
具体的な利用予定がある
管理する人がいる
修繕費を負担できる
隣家との調整ができる
という場合です。
一方、
今後使う予定がない
遠方で管理できない
修繕費が増えている
相続人が増える可能性がある
接道・再建築に不安がある
場合は、現在の売却条件を確認しておく意味があります。
神戸市長田区・兵庫区・須磨区・垂水区・灘区・東灘区・中央区、西宮市、尼崎市、芦屋市、明石市、姫路市、加古川市、宝塚市、伊丹市、川西市、三田市などで相続した長屋・連棟住宅にお悩みの場合は、解体や大規模な改修を行う前に、現在の状態を確認してみましょう。
株式会社マイダスでは、実際に相続後の管理負担から売却を検討した尼崎市の中古テラスハウスや、相続後も定期的に管理されていた神戸市長田区の中古テラスハウスなど、兵庫県内の取扱事例を公開しています。
「残した場合にどの程度負担が続くのか」「今ならどのような条件で売却できるのか」を両方確認してから決める。
これが、相続した長屋を売却するか保有するか判断するときに、株式会社マイダスが重視する考え方です。
査定無料・秘密厳守。仲介、買取、現状渡し、有償引取など、物件の状況に応じた整理方法をご提案します。





