売れない土地はどう整理するべきか
- 新着情報
- 2026/06/04
放置する前に知っておきたい、売却・活用・手放し方の現実
売れない土地はどう整理するべきか。固定資産税や管理負担、低未利用土地の税制、相続土地国庫帰属制度、隣地売却や買取など、現実的な整理方法を分かりやすく解説します。
土地を持っているのに、なかなか売れない。
相続したけれど使い道がない。
不動産会社に相談しても、反応が薄い。
こうした「売れない土地をどうするか」という悩みは、実際には珍しいものではありません。
国土交通省は、地方部を中心に空き地・空き家が増加していることを背景に、低未利用土地の流通や活用促進を政策課題として位置づけています。
まず知っておきたいのは、売れない土地には、売れないなりの理由があるということです。
そして、その理由を整理しないまま「そのうち売れるかもしれない」と放置すると、税金や管理負担だけが続くことがあります。
相続土地国庫帰属制度が作られた背景にも、相続した土地を手放したいという需要の増加がありました。
なぜ土地は売れなくなるのか
売れない土地によくある特徴は、実務上かなり共通しています。
たとえば、
- 面積が小さい
- 形が悪い
- 接道条件が弱い
- 需要が少ない地域にある
- 使い道が限られている
- 権利関係が分かりにくい
といった条件です。
売れない土地の特徴として、狭小地、不整形地、立地条件の弱さ、活用しにくさなどが挙げられています。
国土交通省の「空き地の適正管理及び利活用に関するガイドライン」でも、低未利用土地については、流通促進だけでなく、まち資源としての利活用や管理の考え方が必要だと整理されています。つまり、売れない土地は市場での売却だけを前提にしない方がよい場合があるということです。
売れない土地を放置すると何が問題になるのか
土地は建物と違って壊れたり雨漏りしたりはしません。
そのため「家よりは楽だろう」と思われがちです。
しかし実際には、土地だけでも
- 固定資産税がかかる
- 雑草や樹木の管理が必要
- ごみの不法投棄が起きる
- 境界が分かりにくくなる
- 近隣とトラブルになる
といった問題が起きます。国土交通省のガイドラインでも、空き地の管理不全は地域環境や土地利用に影響しうるため、適正管理が必要とされています。
しかも、売れない土地ほど「使っていないのに毎年費用だけ出ていく」状態になりやすいです。
そのため、放置は何もしない選択ではなく、負担を続ける選択だと考えた方が現実的です。
まず考えたいのは「本当に市場売却が難しいのか」
土地が売れないと感じても、最初から完全にあきらめる必要はありません。
大切なのは、
- 周辺相場
- 同じような土地の成約例
- 需要のある使い方
- 対象となる買主層
を整理することです。
国土交通省は不動産情報ライブラリなどで成約価格情報を公開しており、価格の感覚を持つうえで役立ちます。
土地の相談は「売却か活用か」を見極めるための情報収集から始めるべきだとしています。
つまり、売れない土地の整理は、いきなり処分方法を決めるのではなく、今の土地がどの市場に合うのかを知ることから始まります。
整理方法1 隣地所有者への打診
売れない土地で現実的な方法の一つが、隣地の所有者に打診することです。
特に、
- 狭い土地
- 形が悪い土地
- 単独では使いにくい土地
は、一般の第三者より隣地所有者にとって価値が出ることがあります。
不整形地や狭小地では、隣接地所有者への売却や譲渡が対処法として紹介されています。
もちろん、必ず買ってもらえるわけではありません。
ただ、一般市場で売れにくい土地ほど、「その土地単体ではなく、隣地と合わせると価値が出る」ことがあります。
整理方法2 低未利用土地の税制を活用する
土地の流通を促すため、国は低未利用土地等を譲渡したときの長期譲渡所得100万円控除制度
を設けています。
中部地方整備局の資料では、この制度は令和2年7月に始まり、令和5年以降は一定の区域内の取引について価格要件が500万円から800万円へ拡充されたと説明されています。
令和5年の自治体確認書交付実績は4,555件でした。
この制度は、すべての土地売却で使えるわけではありませんが、
低未利用の土地を譲渡しやすくするための仕組みとして実際に利用されています。
つまり、売れにくい土地でも税制面の後押しがあるケースがあるということです。
整理方法3 活用に切り替える
売ることだけが整理方法ではありません。
国土交通省のガイドラインでは、空き地を
- 緑地
- 広場
- 集会スペース
- 農的利用
- 地域交流の場
などとして活用する仕組みも示されています。低未利用土地利用促進協定など、自治体や都市再生推進法人が関与して利活用する制度もあります。
もちろん、どんな土地でも活用できるわけではありません。
ただ、一般市場での売却が難しい場合には、収益化というより、管理負担を減らしつつ地域に合う使い方を探すという考え方もあります。
整理方法4 相続土地国庫帰属制度を検討する
相続で取得した土地については、相続土地国庫帰属制度という選択肢もあります。
法務省によると、相続や相続人への遺贈で取得した土地について、一定の要件を満たせば国庫に帰属させる申請ができます。
ただし、これは「いらない土地を簡単に手放せる制度」ではありません。
法務省は、建物がある土地、担保権が設定されている土地、境界が争われている土地、管理や処分に過分の費用・労力がかかる土地などは対象外になり得ると説明しています。
また、審査手数料に加え、承認後は10年分の土地管理費相当額の負担金が必要です。
つまり、国庫帰属は最後の保険のような制度であって、誰でもすぐ使える万能手段ではないと理解した方がよいです。
寄付や無償譲渡は簡単ではない
「自治体に寄付すればいいのでは」
と考える方もいますが、これは簡単ではありません。
自治体への寄付は受け取りを断られるケースが多く、相手側に維持管理の意義があるかどうかが厳しく見られると説明されています。
個人への無償譲渡でも、受け取る側に贈与税の問題が出る可能性があり、登記費用の負担なども整理が必要です。
つまり、寄付や無償譲渡は「売れないから最後に誰かに押しつける」ような形では進みにくいのが現実です。
まとめ
売れない土地は「放置」ではなく「整理方法の選び直し」が必要
売れない土地をどう整理するかを考えるとき、大切なのは市場で売れない=何もできない、ではないと知ることです。
現実的には、
- 隣地所有者への打診
- 低未利用土地の税制活用
- 地域に合った利活用
- 相続土地国庫帰属制度の検討
など、いくつかの整理方法があります。国土交通省も、空き地や低未利用土地については、売却だけでなく活用や管理の視点を含めて考えるべきだとしています。
土地は持っているだけでも税金や管理の負担が続きます。
だからこそ、「売れないからそのまま」ではなく、「どう整理するのが一番現実的か」を考えることが大切です。
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