省エネ基準適合義務化で、中古住宅売却はどう変わるのか
- 新着情報
- 2026/06/25
新築向けの制度変更でも、中古住宅の売り方に影響が出る理由
2025年4月から始まった省エネ基準適合義務化で、中古住宅売却はどう変わるのか。新築住宅への義務化、省エネ性能表示制度、住宅ローン減税の証明要件を踏まえ、売主が知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅で省エネ基準適合が義務化されています。
2025年4月から、原則としてすべての新築住宅・非住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。これは建築物省エネ法の改正によるもので、国土交通省は特設ページや制度説明資料で、新築住宅等に省エネ基準適合が求められることを明確に案内しています。
この制度は新築向けなので、「中古住宅の売却には関係ないのでは」と思われがちです。
しかし実際には、買主が家を見る基準に影響するため、中古住宅の売り方にも少しずつ変化が出ています。
国土交通省や関連資料では、省エネ性能の見える化や既存住宅流通の促進があわせて進んでおり、中古住宅でも性能への関心が高まりやすい状況です。
まず「省エネ基準適合義務化」とは何か
今回の制度変更は、2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅・建築物について、省エネ基準に適合しなければ建てられないという内容です。
国土交通省は「全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられます」と案内しており、2024年4月16日の報道発表でも施行日を2025年4月1日としています。
ここで大切なのは、この義務化は中古住宅そのものに直接適用されるものではないという点です。
すでに建っている家が、この制度開始によって突然違法になるわけではありません。
ただし、新築住宅の基準がはっきり上がったことで、買主が中古住宅を見る目線も変わりやすくなっています。
なぜ中古住宅売却に影響するのか
理由はシンプルで、新築の基準が上がると、中古住宅にも比較の目線が向くからです。
これまで以上に買主は、
- 断熱性能はどうか
- 光熱費は高くなりすぎないか
- 将来リフォームが必要か
- 省エネ性能を証明できるのか
といった点を気にしやすくなります。国土交通省系資料では、2024年4月から販売・賃貸時の省エネ性能表示制度が始まり、ラベル表示の定着に向けて不動産事業者やポータルサイト事業者が連携しているとされています。
つまり、住宅選び全体が「性能を見える化して比べる方向」に進んでいます。
中古住宅市場が広がっている今、新築だけが性能を語る時代ではなく、中古住宅も“どのくらいの性能か”を意識されやすい時代になっていると考える方が自然です。
省エネ性能表示制度の影響は大きい
2024年4月から始まった建築物の販売・賃貸時における省エネ性能表示制度は、中古住宅売却にも間接的に影響します。
資料では、住宅の販売・賃貸時にラベル表示の運用が始まり、エネルギー消費性能、断熱性能、目安光熱費などが分かりやすく示される仕組みになっています。
これにより買主は、単に「築何年か」「駅から何分か」だけでなく、光熱費や断熱性能も比較しやすくなる可能性があります。
中古住宅の売主にとっては、今後、性能が見える住宅と見えない住宅で印象差が出る場面が増えやすいと言えます。
住宅ローン減税でも省エネ性能の証明が意識される
中古住宅売却で見逃せないのが、住宅ローン減税との関係です。
国土交通省の住宅ローン減税Q&Aでは、「省エネ基準適合住宅」や「ZEH水準省エネ住宅」に該当するには、建設住宅性能評価書の写しや住宅省エネルギー性能証明書などで証明する必要があるとしています。断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級の基準も具体的に示されています。
つまり買主にとっては、中古住宅でも省エネ性能が証明できるかどうかが、税制メリットや購入判断に関わることがあります。
売主側から見ると、「古い家だから関係ない」と切り離すより、性能が分かる資料があるかどうかを確認しておく意味が大きくなっています。
では、古い家は売れにくくなるのか
ここで不安になるのが、「昔の家は不利になるのでは」という点です。
たしかに、2025年以降の新築住宅は省エネ基準適合が前提になるため、性能比較では築古住宅が不利に見えることがあります。
ただし、それだけで中古住宅が売れなくなるわけではありません。
国土交通省の既存住宅関連施策では、既存住宅の流通や省エネリフォームの支援、リフォーム事業者の可視化なども進めており、既存住宅を活かす方向も同時に進んでいます。
つまり、古い家が不利になるというより、「性能が気になるならどう改善できるか」「今の状態をどう説明するか」が問われやすくなると考える方が正確です。
中古住宅売却で売主が確認したいこと
この流れの中で、売主がまず確認したいのは次のような点です。
- 建築時期や断熱仕様が分かる資料はあるか
- リフォーム履歴は残っているか
- 省エネ性能を証明できる書類があるか
- 今後、省エネ改修をして売るべきか、そのまま売るべきか
- 買主がどんな比較をしそうか
とくに、断熱改修や窓改修などの履歴がある家は、何も情報がない家より説明しやすくなります。
また、性能証明が難しくても、最低限、どんな状態の家なのかを整理して伝えられることが大切です。
制度の変化で買主の目線は変わりますが、情報がある家の方が安心されやすい点は変わりません。
2026年以降は「性能に触れない売却」が弱くなる可能性もある
今後は、中古住宅売却でも省エネ性能にまったく触れないまま売ることが、やや弱く見える可能性があります。
新築では省エネ基準適合が当然になり、販売・賃貸時のラベル表示制度も始まりました。
こうした流れの中では、中古住宅でも
「この家は断熱性がどうか」
「光熱費の面でどんな家か」
といった視点が一般化しやすくなります。
これは今すぐ全中古住宅に同じ重みで効くわけではありませんが、買主の基準が少しずつ変わる方向として見ておく価値があります。
まとめ
新築向け制度でも、中古住宅売却の見られ方は変わり始めている
2025年4月から始まった省エネ基準適合義務化は、直接は新築住宅向けの制度です。
ただし、その影響で住宅選び全体が「性能も見て比較する」方向に進んでいます。
販売・賃貸時の省エネ性能表示制度や、住宅ローン減税での省エネ性能証明の扱いを見ても、その流れは明らかです。
そのため中古住宅売却でも、これからは築年数や立地だけでなく、性能をどう説明するかが少しずつ重要になります。
大切なのは、「古い家だから無理」と考えることではなく、その家の状態や資料を整理し、買主の不安をどう減らすかを考えることです。
制度が新しくなった今だからこそ、中古住宅も「分かりやすく説明できる家」の方が選ばれやすくなると言えます。

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