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相続した空家をどうするべきか

 

 

 

 

そのまま持つ前に知っておきたい、今のルールと考え方



相続した空家をどうするべきかを、相続登記義務化、空家対策の強化、固定資産税特例、相続土地国庫帰属制度などの事実をもとに分かりやすく解説します。相続登記は取得を知ってから3年以内が義務です。

相続で空家を引き継いだとき、多くの方がまず悩むのは、

「売るべきか、このまま持つべきか」

ということです。

親が住んでいた実家や長年家族で使ってきた家には思い入れがあるため、すぐに結論を出しにくいのは自然なことです。

ただ、今の制度では、空家は「とりあえずそのまま」にしにくくなっています。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

 

まず最初に確認したいのは、

名義がどうなっているか

です。

相続したつもりでも、登記簿上は亡くなった方の名義のままというケースは少なくありません。名義が整理されていないと、売却や活用の話も前に進みにくくなります。相続登記の義務化は、所有者不明土地の増加を防ぐために導入されたもので、今後は「あとでやる」が通りにくい流れになっています。

次に考えたいのが、

その空家を持ち続ける現実的な意味があるか

という点です。

空家は住んでいなくても、固定資産税、草木の管理、換気、見回り、修繕などの負担が続きます。さらに、2023年の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%で過去最高となっており、賃貸用・売却用・二次的住宅を除く空き家も385万戸に達しています。つまり、空家は一部の特殊な問題ではなく、全国的に増えている現実的な課題です。

 

 

今は空家に対する行政の見方も以前より厳しくなっています。

国土交通省の資料では、管理不全空家等や特定空家等に対し、市区町村が指導や勧告を行うことができ、勧告を受けた敷地は固定資産税の住宅用地特例の対象から外れるとされています。住宅用地特例は、小規模住宅用地で課税標準が6分の1に軽減される仕組みですが、管理状態が悪いとこの特例が使えなくなる可能性があります。つまり、空家を持ち続けるなら「置いておくだけ」ではなく、適切に管理することが前提です。

では、相続した空家にはどんな選択肢があるのでしょうか。

大きく分けると、

売却する、活用する、持ち続ける、手放す制度を検討する

の4つです。

売却は最も分かりやすい方法ですが、名義整理や建物状態の確認が前提になります。活用は賃貸や地域利用なども含みますが、立地や建物状態によって向き不向きがあります。持ち続ける場合は、管理負担と税負担を継続して引き受ける覚悟が必要です。相続土地国庫帰属制度という選択肢もありますが、これはどんな土地でも無条件に引き取ってもらえる制度ではありません。法務省によると、承認後には10年分の標準的な管理費用相当額の負担金が必要です。

ここで大切なのは、

いきなり結論を出さなくてもよいが、現状整理は早めにすべき

ということです。

相続した空家は、感情の問題もあるため、すぐ売るかどうかを決めにくいものです。ですが、相続登記、管理状態、固定資産税、建物の老朽化、近隣への影響といった問題は、時間がたつほど重くなりやすいです。国土交通省も、空家対策は発生予防、管理、活用、売却・除却まで一体的に進める必要があるとしています。

相続した空家をどうするべきかに、ひとつの正解はありません。

ただ、今の制度の下では、

放置することが一番判断を難しくしやすい

のは確かです。

まずは、名義が整理されているか、管理が行き届いているか、今後使う予定が本当にあるのかを確認することが第一歩です。相続した空家は「思い出の家」であると同時に、「今後どう持つかを決める必要がある不動産」でもあります。だからこそ、売るか残すかを急ぐ前に、今の状態を正しく知ることが大切です。

 

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