空き家を持ち続けるべきか
- 新着情報
- 2026/07/12
「とりあえず残す」が重くなりやすい今、考えておきたいこと
2026年は空き家を持ち続けるべきか。
管理不全空家への対応、固定資産税への影響、空き家増加の見通し、売却や活用の考え方を事実ベースで分かりやすく解説します。
国土交通省は管理不全空家への勧告で住宅用地特例が解除される仕組みを案内しています。
空き家を持っている方の中には、「今すぐ使う予定はないが、まだ売るとも決めていない」「家族の思い出もあるので、とりあえず残している」という方も多いと思います。
ただ、2026年の空き家を取り巻く状況を見ると、“とりあえず持ち続ける”という判断が以前より重くなりやすい時代に入っています。
国土交通省は、空き家の発生予防から管理、活用、売却、除却までを含めた総合的な対策を住生活基本計画で打ち出しており、高齢化や相続増加を背景に、使用目的のない空き家の増加抑制を重要課題として位置づけています。
空き家を持ち続けるリスクが強く意識される理由
空き家が重く見られる理由の一つは、管理不全の段階から行政対応が進みやすくなっていることです。
国土交通省の2026年版パンフレットでは、2023年改正の空家等対策特別措置法により、管理が行き届いていない空き家は「管理不全空家等」として自治体が勧告でき、その勧告を受けると住宅用地の固定資産税軽減特例が解除されると案内しています。
さらに、倒壊のおそれがあるような「特定空家等」では、命令や代執行の対象になることもあります。
つまり2026年は、空き家を持っていること自体より、適切に管理されているかどうかがより厳しく見られる年だと考えた方がよいです。昔のように「空き家でも自分の資産だからそのままでよい」とは言いにくくなっています。
固定資産税の問題は、今まで以上に無視しにくい
空き家を持ち続けるとき、多くの方が気にするのが固定資産税です。
国土交通省の空き家対策資料では、住宅用地は最大1/6まで固定資産税が軽減される特例がある一方、管理不全空家等として勧告を受けるとこの特例が解除されると示されています。
これは「空き家を持っているだけで自動的に税金が上がる」という意味ではありませんが、放置状態が続けば税負担面にも影響しうるということです。
しかも、税金だけでなく、草木の管理、定期確認、修繕、郵便物整理など、空き家を維持するための小さなコストも積み重なります。
住生活基本計画でも、空き家の管理負担や管理不全化の課題に対して、適正管理や売却・除却の周知が必要だとされています。
2026年は「腐朽・破損のある使用目的のない空き家」が政策課題
2026年3月公表の国土交通省の業績指標資料では、「賃貸・売却用等以外の『その他空き家』のうち、腐朽・破損ありの空き家」が、防犯・防災性や地域活力の低下を招くおそれがあるとして、今後の目標管理の対象になっています。
資料では、高齢化に伴う相続増加が空き家増加の外部要因に挙げられており、既存住宅流通や除却・用途転用を進めることで増加を抑える必要があるとされています。
これは、空き家問題が単なる個人の資産管理ではなく、国レベルで抑制すべき社会課題として扱われていることを意味します。
2026年に空き家を持ち続けるか考えるときは、「自分の家だけの問題」と考えない方が実態に近いです。
空き家を持ち続ける判断が向いているケースもある
ただし、2026年だからといって、すべての空き家をすぐ手放すべきというわけではありません。
たとえば、
- 近いうちに家族が使う予定が明確にある
- 定期的に管理ができている
- 建物状態がまだ良く、活用の余地がある
- 地域的に将来の利用可能性が比較的見込める
といった場合は、持ち続ける選択にも意味があります。
国土交通省の住生活基本計画でも、空き家対策は「売却・除却」だけでなく、「管理」や「活用」も柱になっています。
つまり2026年の空き家判断では、残すか処分するかの二択ではなく、適正に持てるかどうか がポイントです。
逆に、早めに見直した方がよい空き家
一方で、次のような空き家は、2026年に「持ち続ける」ことを見直した方がよい可能性があります。
- すでに長期間使っていない
- 遠方で管理が難しい
- 雨漏りや外壁劣化などが気になっている
- 家族の中で使う人が見えない
- 固定資産税や維持費が負担になっている
国土交通省の戸建て既存住宅の流通・活用調査でも、空家特措法改正や用途規制合理化などを背景に、空き家を「そのまま置いておく」のではなく、流通や活用にどう結びつけるかが重要課題とされています。
築古の戸建ては放置期間が長いほど、売却もしにくくなりやすいです。
2026年は中古住宅市場の広がりも見逃せない
空き家を持ち続けるべきか考えるとき、2026年には既存住宅流通市場が拡大していることも見逃せません。
国土交通省の住宅経済関連データでは、既存住宅流通シェアは2024年に43.6%まで上昇しており、中古住宅市場は以前より大きくなっています。
これは、空き家のまま持ち続けるだけでなく、売却や再活用を検討しやすい土台が以前より広がっていることを意味します。
もちろん立地や状態により差はありますが、2026年は「中古住宅市場が弱いから残すしかない」と決めつける年ではありません。
むしろ、市場があるうちに整理の可能性を確認する意味は大きいです。
空き家を考えるなら「感情」と「管理」を分ける
空き家には思い出があることも多く、「まだ手放したくない」という気持ちは自然です。
ただ、2026年の制度や市場環境を踏まえると、思い出として残したい気持ち と実際に管理し続けられるかどうかは分けて考えた方がよいです。
住生活基本計画では、高齢の空き家所有者や相続人等を対象に、空き家の発生予防、管理負担、売却・除却等に関する周知広報や機運醸成を進めるとされています。
つまり国も、感情だけでは整理しにくいからこそ、早めに考える仕組みづくりを進めているということです。
まとめ
2026年は「残すか」より「適正に持てるか」で考える年
2026年に空き家を持ち続けるべきかを考えるとき、大切なのはとりあえず残す という発想を見直すことです。
管理不全空家等への勧告で固定資産税特例が解除される制度、腐朽・破損ありの使用目的のない空き家を抑制対象とする政策、既存住宅市場の拡大などを踏まえると、2026年は空き家をただ持ち続けるより、管理・活用・売却・除却を含めて整理する年 と考える方が現実的です。
空き家は、残すこと自体が悪いのではありません。
ただし、残すなら適正に持てることが前提です。
つまり、「空き家を持ち続けるべきか」ではなく、「この空き家をこの先きちんと持ち続けられるか」を考えるべき年だと言えます。

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