【大阪府】親が認知症になったら家は売れない?施設入居後の実家売却で確認したい手続き
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- 2026/09/13
親が認知症になった場合、親名義の家は売却できるのでしょうか。
本人の意思能力、成年後見制度、家庭裁判所の居住用不動産処分許可、施設入居後の空き家管理、税制上の注意点を分かりやすく解説します。
「親が介護施設へ入居し、実家が空き家になった」
「認知症と診断された親の家を売りたいが、手続きが進まない」
「親名義のまま、固定資産税や管理費だけを払い続けている」
大阪市、堺市、東大阪市、八尾市など大阪府内でも、施設入居後の親名義の家について、どのように整理すればよいか分からないというご相談があります。
親が施設へ入居したからといって、子どもがすぐに実家を売却できるわけではありません。
一方、認知症と診断されたことだけを理由に、必ず売却できなくなるわけでもありません。
最初に確認するべきなのは、親本人が不動産売却の内容と結果を理解し、自分の意思で判断できる状態かどうかです。
親名義の家を子どもだけの判断では売却できない
不動産の所有者が親であれば、原則として売主になるのは親本人です。
子どもが固定資産税を支払っている、施設との連絡を担当している、通帳や印鑑を預かっているといった事情があっても、それだけで家を売却する権限が生じるわけではありません。
売買契約では、少なくとも次のような事項について本人が理解し、判断できることが必要です。
- どの不動産を売るのか
- いくらで売るのか
- 売却すると所有権を失うこと
- 売却代金をどのように管理するのか
- 今後、その家へ戻れなくなる可能性
- 仲介手数料や税金などの費用
本人に十分な意思能力がない状態で行われた法律行為は、民法上、無効となります。
「家族全員が同意している」「親のために売る」という事情だけでは、この問題を解消できません。
認知症の診断だけで売却できないとは決まらない
認知症の症状や進行の程度は、人によって異なります。
日常生活に支援が必要でも、家の売却について具体的な説明を理解し、自分の希望を伝えられる場合があります。
反対に、日常会話はできていても、売買価格や契約後の生活について理解することが難しい場合もあります。
そのため、次のような一つの事情だけで結論を出すことはできません。
- 認知症という診断名
- 要介護度
- 施設に入居していること
- 物忘れがあること
- 家族との日常会話ができること
重要なのは、売買契約を行う時点で、その契約について意思能力があるかです。
判断が難しい場合は、不動産会社だけで進めず、医師の診断内容も踏まえて、司法書士や弁護士などへ早めに相談する必要があります。
判断能力がある場合の進め方
親本人に売却についての意思能力がある場合は、原則として親本人が売主として手続きを行います。
施設へ入居していて不動産会社へ出向けない場合でも、本人と面談できる方法を検討します。
売却を進める前に、本人へ分かりやすく説明したい内容は次のとおりです。
- 売却する理由
- 査定価格と予定する売出価格
- 売却後の住まい
- 家財や思い出の品の扱い
- 売却代金の使い道
- 家族が売却を希望する理由
本人が家を残したいと希望している場合に、子どもの都合だけで売却を進めることは適切ではありません。
売却代金も親本人の財産です。施設費、医療費、生活費など、本人の生活と利益のために管理する必要があります。
判断能力が十分でない場合は成年後見制度を検討する
本人が売却内容を理解して判断することが難しい場合は、法定後見制度の利用を検討することがあります。
法定後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて次の三つがあります。
- 後見:判断能力を欠いているのが通常の状態
- 保佐:判断能力が著しく不十分な状態
- 補助:判断能力が不十分な状態
家庭裁判所が本人の状態や必要な支援を確認し、成年後見人、保佐人または補助人を選任します。
成年後見人には、原則として財産に関する法律行為の代理権があります。
保佐人や補助人が家を売却する場合は、不動産売却についての代理権が家庭裁判所から付与されている必要があります。
成年後見制度は、家を売るためだけに形式上利用する制度ではありません。
本人の預貯金、不動産、施設費、生活費などを継続して管理し、本人の権利と生活を支援するための制度です。
子どもが必ず成年後見人になるとは限らない
申立ての際に子どもを候補者として記載しても、その人が必ず成年後見人に選ばれるわけではありません。
家庭裁判所は、本人の財産額、家族関係、利益相反の有無、必要な支援内容などを踏まえて選任します。
事案によっては、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職や法人が選ばれることもあります。
専門職後見人などが選任され、家庭裁判所が報酬を認めた場合、その報酬は本人の財産から支払われます。
「子どもが後見人になって、すぐに家を売ればよい」と単純には進まない点に注意が必要です。
施設入居前の実家も「居住用不動産」に含まれることがある
成年後見人等が本人に代わって居住用不動産を処分する場合、家庭裁判所の許可が必要です。
ここでいう居住用不動産は、現在本人が住んでいる家だけではありません。
本人が施設や病院へ入っていて現在は住んでいなくても、以前住んでいた家や、将来戻る可能性がある家も含まれます。
対象となる「処分」には、次の行為も含まれます。
- 売却
- 賃貸
- 賃貸借契約の解除
- 抵当権の設定
- 使用貸借
- 建物の取り壊し
- 建て替え
家庭裁判所の許可を得ないまま、成年後見人等が居住用不動産を処分した場合、その処分は無効になります。
したがって、「売却できないので、とりあえず賃貸に出す」「先に古い家を解体する」という判断にも注意が必要です。
家庭裁判所の許可で確認されること
家庭裁判所へ居住用不動産の処分許可を申し立てる際は、一般的に次のような資料が必要です。
- 不動産の登記事項証明書
- 売買契約書案
- 固定資産評価証明書
- 不動産会社の査定書
- 売却が必要な理由を示す資料
- 売却後の本人の生活状況に関する資料
裁判所は、売却価格だけでなく、なぜ売る必要があるのか、売却後の住まいが確保されているか、本人の生活や財産に不利益がないかなどを確認します。
施設費を捻出する必要がある、建物の老朽化で維持費が増えている、今後自宅へ戻る予定がないといった事情は、売却の必要性を説明する材料になります。
ただし、施設に入居したという理由だけで、必ず売却許可が出るわけではありません。
先に買主と正式な契約を締結してしまうのではなく、家庭裁判所へ提出できる契約書案を準備し、許可手続きと売却スケジュールを調整することが重要です。
施設入居後も実家の管理は続く
親が施設へ入居して誰も住まなくなっても、家の所有者としての管理負担は残ります。
主な負担には次のものがあります。
- 固定資産税や都市計画税
- 保険契約の確認
- 室内の換気や清掃
- 水回りの通水
- 草刈りや庭木の剪定
- 郵便物の確認
- 雨漏り、外壁、屋根、塀の点検
- 不法侵入や近隣からの連絡への対応
- 遠方からの交通費や管理委託費
国土交通省も、当面売却や活用ができない空き家には適切な管理が必要であり、自分たちで管理できない場合は、空き家管理業者などの利用を検討するよう案内しています。
施設へ入居した直後は建物に大きな問題がなくても、誰も確認しない状態が続けば、雨漏りや漏水などの発見が遅れる可能性があります。
売却手続きに時間がかかる場合も、引渡しが終わるまでは管理を続ける必要があります。
売却だけでなく保有・賃貸も比較する
施設入居後の実家は、必ずすぐに売却しなければならないわけではありません。
主に次の選択肢があります。
売却する
施設費や生活費を確保したい場合、家族が利用する予定がなく、管理負担が続く場合に検討します。
当面保有する
本人が自宅へ戻る可能性がある場合や、家族の方針が決まっていない場合に検討します。
ただし、管理担当者と見直し期限を決めることが重要です。
家族が利用する
親本人の意向や利益を確認したうえで、家族が居住・管理する方法です。
無償で使う場合も、後見制度を利用しているときは自己判断で進めないよう注意します。
賃貸として活用する
建物状態と地域需要が合えば選択肢になります。ただし、成年後見人等が居住用不動産を賃貸する場合も、家庭裁判所の許可が必要になることがあります。
どの方法を選ぶ場合も、親本人の生活と利益を中心に考える必要があります。
施設入居後の売却期限と税制も確認する
親本人が以前住んでいた家を売却する場合、一定の要件を満たせば、居住用財産を売却したときの3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。
これは売却代金から3,000万円を受け取れる制度ではなく、譲渡所得から最高3,000万円を控除する制度です。
以前住んでいた家については、原則として、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが期限の一つです。
例えば、2026年中に親が施設へ移り、その後自宅へ戻らない場合は、原則として2029年12月31日までの売却が期限となる可能性があります。
ただし、親族への売却、過去に利用した税制、家屋の所有関係など、ほかにも複数の要件があります。
成年後見制度の手続きに時間がかかり、税制上の期限を過ぎる可能性もあるため、売却時期については税理士にも確認することが大切です。
施設入居後の実家を整理する順番
親名義の家については、次の順番で確認すると状況を整理しやすくなります。
- 土地と建物の登記名義を確認する
- 住宅ローンや抵当権の有無を調べる
- 親本人の売却希望を確認する
- 契約内容を理解できる状態か専門家へ相談する
- 成年後見・保佐・補助の必要性を検討する
- 建物状態、接道、境界、家財を確認する
- 空き家の年間管理費を計算する
- 現状での査定価格を確認する
- 保有・賃貸・仲介売却・直接買取を比較する
- 家庭裁判所の許可や税制上の期限を確認する
査定や物件調査は、成年後見制度の手続きと並行して進められる場合があります。
ただし、親本人の意思能力や代理権を確認しないまま、媒介契約や売買契約を先に締結しないことが重要です。
株式会社マイダスへご相談ください
株式会社マイダスでは、親が施設へ入居して空き家になった実家、親名義の古家、長屋、文化住宅、家財が残った住宅、再建築不可物件などのご相談を承っています。
大阪市、堺市、東大阪市、八尾市、豊中市、枚方市など大阪府内でも、物件の状態とご家族の状況によって必要な手続きは異なります。
親が認知症と診断されている場合は、売却できると一方的に判断するのではなく、本人の意思確認、成年後見制度、家庭裁判所の許可など、先に確認すべき事項を整理します。
必要に応じて司法書士、弁護士、税理士などへの相談が必要な点も確認したうえで、一般市場での売却、古家付き土地としての販売、現状での直接買取などを比較します。
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査定無料・秘密厳守で、大阪・兵庫・奈良の空き家、相続不動産、長屋、文化住宅、他社で断られた物件などの不動産買取・売却相談を承っています。
「親の判断能力が心配で、どこから始めればよいか分からない」
「施設費のために実家の売却を検討したい」
「家財を残したまま査定してほしい」
そのような段階からでも、ご相談いただけます。
よくある質問
Q1.親が施設へ入居したら、子どもだけで家を売却できますか?
原則としてできません。
親名義の家は親本人が売主になります。子どもが家族というだけで代理権を持つわけではないため、本人の意思能力や適法な代理権を確認する必要があります。
Q2.認知症と診断されたら、必ず家を売れなくなりますか?
必ず売れなくなるわけではありません。
診断名だけではなく、売却する不動産、価格、契約の結果などを本人が理解して判断できるかを個別に確認します。意思能力がない状態で行われた法律行為は無効になります。
Q3.成年後見制度は必ず利用しなければなりませんか?
すべてのケースで必要になるわけではありません。
本人に十分な意思能力がある場合は、本人が売主として売却できます。判断能力が十分でなく、本人だけでは有効な契約を行うことが難しい場合に、後見・保佐・補助の利用を検討します。
Q4.子どもが成年後見人になれば、自由に実家を売却できますか?
自由に売却できるわけではありません。
施設入居前の実家など、本人の居住用不動産を成年後見人等が売却する場合は、原則として家庭裁判所の許可が必要です。
Q5.施設へ入居しているので、実家は居住用不動産ではないのですか?
施設入居前に住んでいた家や、将来戻る可能性がある家も、成年後見制度上の居住用不動産に含まれることがあります。
Q6.実家を賃貸に出すだけなら裁判所の許可は不要ですか?
成年後見人等が本人の居住用不動産について賃貸借契約を結ぶ場合も、「処分」として家庭裁判所の許可が必要になることがあります。
自己判断で募集を始めず、裁判所や専門家へ確認することが大切です。
Q7.施設入居後の実家は、すぐ売却した方がよいですか?
一律には決められません。
自宅へ戻る可能性、施設費、空き家の管理費、建物状態、親本人の希望、税制上の期限などを比較します。
売却を急がない場合も、管理方法と見直し時期を決めておくことが大切です。










