【奈良県】空き家が亡くなった親名義のままでも売れる?相続登記後に売却する手順
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- 2026/09/18
亡くなった親名義の空き家は、そのまま売却できるのでしょうか。
相続登記義務化後の期限、相続人が複数いる場合の遺産分割、相続人申告登記との違い、売却準備の進め方を解説します。
「親が亡くなってから何年も経つが、実家の名義を変えていない」
「固定資産税は支払っているが、登記簿は亡くなった親の名義のまま」
「相続登記が終わっていないので、不動産会社へ相談してよいか分からない」
奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、香芝市など奈良県内でも、親名義のまま残っている実家や空き家を売却したいというケースがあります。
結論として、亡くなった親名義の不動産を、その状態のまま親から買主へ直接売却することはできません。
ただし、相続登記が終わっていないからといって、不動産会社への相談や査定まで待つ必要はありません。
大切なのは、相続人と不動産の範囲を確認し、相続登記と売却準備を並行して進めることです。
亡くなった親は売主になれない
不動産の売却では、売主が所有権を持っていることを確認し、売買代金の決済時に買主へ所有権を移転します。
登記簿上の所有者である親がすでに亡くなっている場合、親本人が売買契約を結んだり、登記手続きを行ったりすることはできません。
そのため、一般的には次の順番で手続きを進めます。
- 相続人を確認する
- 遺言書の有無を確認する
- 誰が不動産を取得するか決める
- 相続人名義への相続登記を行う
- 買主への所有権移転登記を行う
相続登記と買主への所有権移転登記を決済日に連続して申請する形が検討されることもありますが、いずれにしても、亡くなった親から買主へ直接名義を移すわけではありません。
相続登記は2024年4月から義務化
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。
相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、その不動産の所有権を取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
遺産分割が後から成立した場合には、不動産を取得した相続人が、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を反映した登記を行う義務もあります。
正当な理由なく義務を怠った場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に親が亡くなっている場合も、義務化の対象です。
以前から相続登記をしていない不動産については、原則として次のうち遅い日から3年以内が期限となります。
- 2024年4月1日
- 相続による所有権取得を知った日
そのため、以前から親名義のままになっている場合、最も早い申請期限は原則として2027年3月31日です。
「何年も前の相続だから義務化とは関係がない」ということではありません。
固定資産税を払っていても名義は変わらない
相続後、子どもの一人が固定資産税を支払っていることがあります。
しかし、固定資産税を支払っているだけでは、土地・建物の登記名義は変わりません。
次のような事情があっても、その人が自動的に単独所有者になるわけではありません。
- 固定資産税の納税通知書が自分に届いている
- 空き家の管理を一人で担当している
- 草刈りや修繕費を負担している
- 親の介護を担当していた
- 兄弟から口頭で管理を任されていた
誰が不動産を取得するかは、遺言書、遺産分割協議、法定相続分などを確認して整理する必要があります。
費用を一人が立て替えている場合は、支払日、金額、内容を記録し、売却代金を分ける際の精算について相続人間で話し合うことが大切です。
最初に遺言書と相続人を確認する
親名義の実家を売却するときは、すぐに名義変更の書類を作るのではなく、まず遺言書と相続人を確認します。
相続人の範囲は、戸籍謄本などをたどって確定します。
例えば、相続人として考えられるのは次のような人です。
- 配偶者
- 子ども
- 先に亡くなった子どもの子である孫
- 子どもがいない場合の父母など
- 一定の場合の兄弟姉妹や甥・姪
家族が把握していなかった相続人が見つかることもあるため、「兄弟は自分たちだけ」と記憶だけで判断しないことが重要です。
遺言書で実家を取得する人が有効に指定されている場合は、その内容に沿って相続登記を進めます。
遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、誰が実家を取得するのかを遺産分割協議で決めます。
相続人が複数いる場合の売却方法
相続人が複数いる場合、主に三つの方法が考えられます。
1.一人が相続して売却する
遺産分割協議で一人が土地・建物を取得し、その人の名義へ相続登記をしてから売却します。
売却代金をほかの相続人へ渡す場合は、遺産分割の内容や税務上の取扱いを事前に整理しておくことが大切です。
2.複数人の共有名義にして全員で売却する
法定相続分や合意した割合で共有登記を行い、共有者全員が売主となって売却します。
売買契約や所有権移転には、原則として共有者全員の協力が必要です。
遠方に住む相続人がいる場合は、必要書類、本人確認、売買契約への署名方法などを早めに確認します。
3.遺産分割前に相続人全員で売却方針を決める
相続登記前でも、相続人全員が売却方針に同意していれば、査定や物件調査、買主探しなどの準備を進められる場合があります。
ただし、最終的には、遺産分割と相続登記によって売主を確定しなければなりません。
相続人の一人が反対している場合、ほかの相続人だけで実家全体を売却することはできません。
遺産分割の話し合いがまとまらない場合
「兄は売りたいが、弟は残したい」
「一人の相続人と連絡が取れない」
「売却代金をどのように分けるか決まらない」
このような場合は、相続登記や売却を進めにくくなります。
相続人同士で遺産分割の話し合いがつかない場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることができます。
調停では、裁判官と調停委員が相続人の事情や希望を確認し、不動産の資料や評価なども踏まえながら合意を目指します。
調停が成立しない場合は、原則として審判へ移行します。
不動産の売却だけを急ぐのではなく、次のような数字を共有すると話し合いやすくなります。
- 現状での査定価格
- 固定資産税と年間管理費
- 家財処分費
- 必要な修繕費
- 解体費
- 売却後の予想手取り額
- 保有を続けた場合の5年分の費用
相続人申告登記だけでは売却できない
遺産分割がまとまらず、3年以内に通常の相続登記を行うことが難しい場合は、「相続人申告登記」を利用できることがあります。
相続人申告登記は、登記名義人が亡くなったことと、自分がその相続人であることを法務局へ申し出る制度です。
比較的簡易な手続きによって、相続登記の申請義務を履行できるよう設けられました。
ただし、相続人申告登記には重要な注意点があります。
- 最終的な所有者を決める登記ではない
- 各相続人の持分を公示する登記ではない
- 遺産分割が成立した後の登記義務までは履行できない
- この登記だけでは不動産を売却できない
不動産を売却したり、抵当権を設定したりする場合は、別途、正式な相続登記が必要です。
相続人申告登記をしたことで、売却準備がすべて完了したと誤解しないよう注意しましょう。
相続登記前でも進められること
相続登記が終わるまで、不動産に関する準備を何もできないわけではありません。
一般的には、次のような確認を並行して進められます。
- 土地・建物の査定
- 登記事項証明書や公図の確認
- 接道と再建築の可否の調査
- 境界や越境の確認
- 建物状態の調査
- 家財処分費の見積もり
- 現状売却と解体後売却の比較
- 固定資産税や抵当権の確認
- 相続空き家に関する税制の確認
相続登記に数か月かかってから初めて物件調査を始めると、売却までの期間が長くなることがあります。
相続人の確認と不動産調査を同時に進めることで、登記完了後の売却方法を決めやすくなります。
ただし、相続人や売主が確定していない段階で、正式な売買契約を急いで締結しないことが重要です。
土地・建物以外の名義漏れにも注意
古い住宅地では、実家の宅地と建物以外にも、親名義の不動産が残っていることがあります。
例えば、次のような不動産です。
- 私道の共有持分
- 道路状になっている土地
- 離れた場所にある農地や山林
- 近隣の駐車場
- セットバック部分
- 共有の通路
- 未登記の増築建物
宅地と建物だけ相続登記を行い、私道持分を見落とすと、売却時に追加の相続登記が必要になることがあります。
2026年2月2日からは、「所有不動産記録証明制度」が始まりました。
この制度では、亡くなった方が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的に確認できます。
相続人が把握していなかった土地や私道持分を確認する手段として利用できる場合があります。
ただし、登記簿に記録された氏名・住所などを基に検索する制度であるため、古い住所や表記の違いなども含め、具体的な請求方法を法務局へ確認することが大切です。
相続空き家の3,000万円特別控除も確認する
親が一人で住んでいた実家を相続して売却する場合、一定の要件を満たせば、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる可能性があります。
これは売却代金から3,000万円を受け取れる制度ではなく、売却によって生じた譲渡所得から最高3,000万円を控除する制度です。
現行制度では、2027年12月31日までの一定の譲渡が対象です。
2024年1月1日以後の譲渡で、対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は、一人当たりの控除上限が2,000万円となります。
主な要件には次のようなものがあります。
- 1981年5月31日以前に建築された家屋
- 区分所有建物ではない
- 相続開始直前に原則として亡くなった方以外が住んでいなかった
- 相続後に居住、賃貸、事業利用をしていない
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
- 売却代金が1億円以下
- 耐震または解体に関する要件を満たす
買主が売却後、翌年2月15日までに耐震改修または家屋の取り壊しを行うことで対象となる場合もあります。
相続登記や遺産分割に時間がかかると、税制上の売却期限に影響することがあります。
該当する可能性がある場合は、不動産会社だけでなく税理士や所在地の自治体へ早めに確認しましょう。
親名義の空き家を売却する手順
親名義の実家は、次の順番で整理すると進めやすくなります。
- 土地・建物の登記事項証明書を取得する
- 遺言書の有無を確認する
- 戸籍から相続人を確定する
- 私道持分などほかの不動産も調べる
- 相続人間で売却方針を話し合う
- 不動産の査定と現地調査を受ける
- 遺産分割協議書を作成する
- 相続人名義への相続登記を申請する
- 仲介売却・直接買取などを比較する
- 買主への所有権移転登記を行う
遺言書、相続放棄、認知症の相続人、行方が分からない相続人、未成年者などが関係する場合は、通常とは異なる手続きが必要になることがあります。
早い段階で司法書士や弁護士へ相談することが重要です。
株式会社マイダスへご相談ください
株式会社マイダスでは、亡くなった親名義のままになっている空き家、相続人が複数いる実家、家財が残った古家、長屋、文化住宅、再建築不可物件などのご相談を承っています。
奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、香芝市など奈良県内でも、売却までに必要な手続きは、相続人の人数、遺言書、土地・建物の名義、接道、建物状態によって異なります。
相続登記が終わっていない段階でも、現在の登記状況や物件条件を確認し、次の方法を比較します。
- 一般市場での売却
- 古家付き土地としての販売
- 家財が残った状態での直接買取
- 隣接所有者への提案
- 条件に応じた不動産引取
相続登記や遺産分割については、必要に応じて司法書士、弁護士、税理士などへ確認すべき事項を整理します。
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「親名義のままで、何から始めればよいか分からない」
「相続人が複数いて話がまとまっていない」
「相続登記に費用をかける前に売却可能性を知りたい」
そのような段階からでもご相談いただけます。
よくある質問
Q1.亡くなった親名義の家をそのまま売却できますか?
原則として、親名義のまま買主へ直接所有権を移転することはできません。
相続人を確定し、相続人名義への相続登記を行ったうえで、買主への所有権移転登記を進めます。
Q2.相続登記の期限はいつまでですか?
相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内です。
2024年4月1日より前に始まった相続も義務化の対象で、以前から未登記の場合の最も早い期限は原則として2027年3月31日です。
Q3.相続人申告登記をすれば売却できますか?
相続人申告登記だけでは売却できません。
これは相続登記の申請義務を簡易に履行するための制度で、最終的な所有者や持分を確定する登記ではありません。
売却には別途、相続登記が必要です。
Q4.相続人が複数いる場合、一人の名義にできますか?
遺言書または相続人全員による遺産分割協議で、一人が不動産を取得することに決まれば、その人の単独名義へ相続登記できます。
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を検討します。
Q5.相続登記が終わっていなくても査定できますか?
査定、建物調査、道路・境界の確認、家財処分費の見積もりなどは、相続登記と並行して進められる場合があります。
ただし、売買の決済・引渡しまでには、売主となる相続人の名義へ整える必要があります。
Q6.権利証が見つからなくても相続登記できますか?
相続登記では、亡くなった方の権利証や登記識別情報が必須書類になるとは限りません。
戸籍、住民票の除票、遺産分割協議書など、相続方法に応じた書類を準備します。必要書類は個別事情によって異なるため、法務局または司法書士へ確認しましょう。










