相続した土地が売れないとき、どう考えるべきか。「価値がない土地」ではなく「整理の仕方が問われる土地」
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- 2026/07/22
相続した土地が売れない原因と対処法を、相続登記義務化、低未利用土地の100万円控除、相続土地国庫帰属制度から解説。大阪府泉州地域の狭小地、変形地、古家付き土地などの売却相談にも対応します。
相続した土地について、「不動産会社に相談しても買い手が見つからない」「固定資産税だけを払い続けている」という方は少なくありません。
しかし、土地が売れないからといって、直ちに「価値がない土地」と決めつける必要はありません。
土地の価格、接道、形状、境界、名義、利用方法など、売却を妨げている原因を整理することで、売却や買取、隣地への譲渡、国庫帰属など、現実的な出口が見つかることがあります。
最初に相続登記が済んでいるか確認する
相続した土地を売却するには、原則として亡くなった方の名義から、相続人の名義へ変更する相続登記が必要です。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。
遺産分割が後から成立した場合も、その成立日から3年以内に内容に沿った登記が必要です。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
また、制度開始前に発生した相続も対象です。2024年4月1日より前から未登記となっている土地については、原則として2027年3月31日までの対応が必要となるため、早めの確認が重要です。
相続人が多い、遺産分割協議がまとまっていない、共有名義になっているといった状態では、そのまま売却手続きを進めることが難しくなります。
まずは「誰が売主になるのか」を明確にすることが、土地を整理する第一歩です。
なぜ相続した土地が売れないのか
土地が売れにくい原因は、価格だけとは限りません。
例えば、道路に十分接していない路地奥の土地、間口が狭い土地、三角形などの変形地、境界が分からない土地、古家や残置物がある土地は、買主が利用方法や追加費用を判断しにくくなります。
市街化調整区域、農地、傾斜地などでは、建築や転用に制限がある場合もあります。
売主が住宅地としての価格を希望していても、実際の利用可能性が低ければ、価格を下げるだけでは売れないことがあります。
大切なのは、「相場より高いから売れない」のか、「利用条件が整理されていないから売れない」のかを分けて考えることです。
低未利用土地の100万円控除を確認する
長期間利用されていない空き地や古家付き土地を売却する場合、一定の要件を満たせば「低未利用土地等の長期譲渡所得の100万円特別控除」を利用できる可能性があります。
この制度は、一定の要件を満たす譲渡価格500万円以下の土地等が対象です。市街化区域や用途地域が設定された区域などでは、2028年12月31日までの譲渡について、価格要件が800万円以下に引き上げられています。
ただし、100万円が現金で支給される制度でも、税金が必ず100万円安くなる制度でもありません。
要件を満たす長期譲渡所得から、最大100万円を差し引く仕組みです。
2024年中に自治体が発行した低未利用土地等確認書は全国で4,817件あり、譲渡前の状態は空き地が49.6%、譲渡後の用途は住宅が72.1%でした。
ただし、確認書が発行されても、他の要件を満たさなければ税制特例を受けられない場合があります。
対象になる可能性がある場合は、売買契約前から不動産会社、自治体、税理士へ確認しておくことが大切です。
国に返せる土地は限られている
「売れないなら国に引き取ってもらいたい」と考える方には、相続土地国庫帰属制度という選択肢があります。
この制度は、相続や相続人への遺贈によって取得した土地について、法務大臣の承認を受け、国庫へ帰属させる仕組みです。
しかし、不要な土地を無条件・無料で国へ返せる制度ではありません。
建物が残っている土地、担保権や使用権が設定された土地、境界が明らかでない土地、土壌汚染された土地などは申請できません。
また、崖や地下埋設物があり、通常より多くの管理費用や労力が必要な土地は、承認されない場合があります。
申請時には土地一筆につき1万4,000円の審査手数料も必要です。
承認後には、土地の種類や面積などに応じて算定される、10年分の標準的な管理費用相当額の負担金を一括で納めます。
そのため、国庫帰属を検討する場合も、先に建物、境界、権利関係などを整理する必要があります。










