【奈良県】空き家を持ち続けるといくらかかる?5年・10年の維持費と売却を考えるタイミング
- 新着情報
- 2026/09/14
相続した空き家を持ち続けると、5年・10年でいくらかかるのか。
固定資産税、保険料、空き家管理費、草刈り、修繕費などの計算方法と、保有・活用・売却を比較するタイミングを解説します。
「相続した実家を、そのまま空き家にしている」
「将来、子どもが使うかもしれないので売却を決められない」
「固定資産税は払っているが、年間でいくら負担しているか分からない」
奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、香芝市など奈良県内でも、相続した実家を売るべきか、そのまま保有するべきか迷うことがあります。
思い出のある実家であれば、すぐに売却を決められないのは自然なことです。
ただし、誰も住んでいない家にも、税金、保険、見回り、草刈り、修繕などの費用がかかります。
空き家を持ち続けるか判断するには、今すぐ売るべきかではなく、5年・10年保有した場合の総負担と、現在売却した場合の手取り額を比べることが大切です。
全国の空き家は900万2,000戸
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。
ただし、この数字だけを理由に、相続した家をすぐ売却する必要はありません。
空き家を保有すること自体が問題なのではなく、誰が管理するのか、何年保有するのか、将来どのように利用するのかが決まっていない状態に注意が必要です。
利用計画がないまま保有期間が長くなると、毎年の固定費に加え、突発的な修繕費が発生する可能性があります。
空き家にかかる主な維持費
空き家の年間維持費は、建物の規模、土地の評価額、庭の広さ、管理方法、建物状態によって異なります。
主に確認したいのは、次の費用です。
固定資産税・都市計画税
土地と建物を所有している限り、原則として固定資産税がかかります。
都市計画税は対象地域にある土地・建物へ課税される税金です。
例えば奈良市では、1月1日現在、市街化区域内に土地・家屋を所有している人が対象とされています。
金額は、毎年届く固定資産税・都市計画税の納税通知書で確認できます。
火災保険・地震保険
誰も住んでいなくても、火災、風災、落雷などへの備えとして保険を継続することがあります。
ただし、空き家になったことで、契約を継続できるか、補償内容の変更が必要かを確認しなければならない場合があります。
契約中の保険会社または代理店へ、現在誰も住んでいないことを伝えて確認しましょう。
電気・水道などの基本料金
定期的な点検や清掃のために、電気や水道を止めずに残す場合があります。
通水によって排水トラップの封水切れや悪臭を防ぐ管理もあるため、完全に解約するかどうかは、建物の管理方法と合わせて判断します。
見回り・空き家管理費
所有者自身で管理する場合は、現地までの交通費や時間がかかります。
管理事業者へ依頼する場合は、巡回、換気、郵便物の確認、簡易清掃、外観点検などの委託費が必要です。
草刈り・庭木の剪定費
庭や敷地がある空き家では、雑草、落ち葉、庭木の越境などへの対応が必要です。
庭の広さや作業回数によっては、毎年まとまった費用が発生します。
修繕費
屋根、外壁、雨どい、塀、給排水設備などに不具合が見つかれば、補修費が必要になります。
修繕費は毎年同じ金額で発生するものではありません。
数年間ほとんどかからなかった後に、雨漏りや外壁の破損で大きな費用が発生することも考えられます。
5年・10年の維持費を試算する
空き家の維持費に全国共通の金額はありません。
次の金額は、実際の相場を示すものではなく、保有期間による違いを確認するための試算例です。
| 仮定する年間維持費 | 5年間 | 10年間 |
|---|---|---|
| 年間10万円 | 50万円 | 100万円 |
| 年間20万円 | 100万円 | 200万円 |
| 年間40万円 | 200万円 | 400万円 |
例えば、固定資産税、保険料、見回り、草刈りなどを合わせて年間20万円かかる場合、単純計算では5年間で100万円、10年間で200万円になります。
ただし、この金額には、屋根工事、外壁補修、給排水管の交換、倒木処理などの臨時費用が含まれていません。
10年間の保有を考える場合は、毎年かかる費用だけでなく、次のような一時的な支出も見込んでおく必要があります。
- 台風後の屋根・雨どいの補修
- 雨漏りへの対応
- 給排水設備の修理
- シロアリや害獣への対応
- 塀や擁壁の補修
- 大きく成長した庭木の伐採
- 家財や残置物の処分
「年間の税金はそれほど高くない」と感じても、管理費や修繕費を合計すると、長期保有の総額が大きくなることがあります。
実際の維持費を計算する方法
空き家の年間維持費は、次の資料から確認できます。
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書
- 火災保険・地震保険の契約書
- 電気・水道などの年間支払額
- 草刈り・庭木剪定の見積書
- 空き家管理会社の見積書
- 現地へ行く交通費・宿泊費
- 過去の修繕履歴
- 今後必要となりそうな修繕の見積書
そのうえで、次のように計算します。
年間の定期費用×保有予定年数+予想される臨時修繕費=保有期間中の概算負担
相続人が複数いる場合は、費用を誰が、どの割合で負担するかも決めておく必要があります。
空き家は「住んでいないだけ」で必ず傷むわけではない
人が住まなくなったという理由だけで、建物が直ちに大きく劣化するとは限りません。
ただし、定期的な点検や換気が行われないと、雨漏り、漏水、害虫被害などを発見するのが遅れる可能性があります。
国土交通省は、空き家の管理として、次の対応を挙げています。
- 室内の通気・換気
- 排水設備の通水
- 敷地内の清掃
- 庭木の剪定
- 郵便物の確認・整理
- 屋根、壁、窓などの点検
自分で管理できない場合は、空き家管理事業者や修繕業者の利用を検討するよう案内しています。
保有を選ぶのであれば、「何もしないで残す」のではなく、誰が、どの頻度で、どこを確認するのかを決める必要があります。
管理不全空家等への勧告と住宅用地特例
住宅が建っている土地には、固定資産税などの負担を軽減する住宅用地特例があります。
奈良市では、住宅1戸当たり200㎡以下の小規模住宅用地について、固定資産税の課税標準を価格の6分の1とする特例が案内されています。200㎡を超える一般住宅用地部分は、原則として価格の3分の1です。
空き家になっただけで、この特例が直ちに外れるわけではありません。
ただし、適切に管理されず、市区町村から管理不全空家等または特定空家等として指導を受け、改善しないまま勧告を受けると、敷地が住宅用地特例の対象から除外されます。
なお、特例が外れても、固定資産税額が単純に6倍になるとは限りません。
土地の評価額や負担調整措置などによって、実際の増加額は異なります。
相続した空き家は名義も確認する
亡くなった親名義の実家を持ち続けている場合は、相続登記が終わっているか確認します。
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。
2024年4月1日より前に発生した相続も対象で、以前から相続登記をしていない場合の最も早い期限は、原則として2027年3月31日です。
売却しない場合でも、相続登記の義務がなくなるわけではありません。
相続人が複数いる場合は、次の点も整理しましょう。
- 誰が不動産を取得するのか
- 共有名義のまま保有するのか
- 税金や修繕費を誰が支払うのか
- 売却を再検討する時期
- 将来、相続人の一人が亡くなった場合の対応
共有状態のまま次の相続が発生すると、関係者が増え、売却や修繕について合意を得るのに時間がかかることがあります。
売却時期によって税制が変わることもある
相続した実家を売却する場合は、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる可能性があります。
一定の要件を満たす場合に、売却代金ではなく、譲渡所得から最高3,000万円を控除する制度です。現行制度では2027年12月31日までの一定の譲渡が対象となっています。
また、売却期限については、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までなどの要件があります。
このほかにも、建築時期、被相続人の居住状況、相続後の利用状況、売却価格、耐震性または解体など複数の条件があります。
「しばらく保有してから考える」と決めたことで、税制上の期限を過ぎる可能性もあるため、該当しそうな場合は早めに税理士や自治体へ確認することが大切です。
売却を考えたい6つのタイミング
1.具体的な利用予定がない
「いつか使うかもしれない」だけで、誰がいつから使うのかが決まっていない場合は、保有目的を見直す時期です。
2.管理する人がいない
遠方に住んでいる、高齢で見回りが難しい、相続人同士で管理担当が決まらない場合は、管理委託費と売却を比較します。
3.年間維持費を把握して負担が大きいと分かった
今後5年間の費用が100万円になるのであれば、その100万円を負担して保有する意味があるかを考えます。
4.大きな修繕が必要になった
屋根、外壁、基礎、給排水管などにまとまった工事が必要な場合は、修繕後の利用価値と現状売却を比較します。
5.相続人が増える可能性がある
共有者が高齢になっている、次の相続が近いと考えられる場合は、権利関係が複雑になる前に方向性を話し合います。
6.税制上の期限が近い
相続空き家の3,000万円特別控除など、期限のある制度を利用できる可能性がある場合は、売却準備に必要な期間も考慮します。
査定は「売却を決める手続き」ではない
売却査定を受けたからといって、必ず売らなければならないわけではありません。
現在の査定価格を確認すると、次の数字を比較できます。
- 今後5年・10年の維持費
- 賃貸や自己利用に必要な改修費
- 現在売却した場合の手取り額
例えば、今後10年間の維持費が200万円と見込まれ、さらに屋根修理に150万円かかる可能性がある場合は、合計350万円を負担して保有する意味があるかを検討できます。
反対に、数年以内に家族が居住する予定があり、最低限の管理費で維持できるなら、すぐに売却しない判断にも合理性があります。
大切なのは、売るか持つかを感覚だけで決めず、金額と期限を明らかにすることです。
空き家を持ち続ける場合の確認項目
保有を選ぶ場合は、少なくとも次の内容を決めておきましょう。
- 誰が管理するか
- 何か月に一度点検するか
- 税金や修繕費を誰が負担するか
- 火災保険の契約内容は適切か
- 家族がいつから利用するのか
- 利用しなかった場合、いつ売却を再検討するか
- 大規模修繕の上限額をいくらにするか
「3年以内に利用しなければ売却を比較する」など、具体的な見直し期限を設けることで、方針のないまま費用だけが積み重なる状態を避けやすくなります。
株式会社マイダスへご相談ください
株式会社マイダスでは、相続した実家、管理が難しくなった空き家、築年数の古い戸建て、長屋、文化住宅、再建築不可物件などのご相談を承っています。
奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、香芝市など奈良県内でも、空き家の維持費や売却可能性は、立地、接道、建物状態、土地面積によって異なります。
現在の状態を確認し、今後の管理費や修繕負担を踏まえて、次の方法を比較します。
- 当面保有して管理する
- 一般市場で売却する
- 古家付き土地として売却する
- 家財を残したまま直接買取を依頼する
- 条件によって不動産引取を検討する
丁寧なヒアリング・スピード対応・秘密厳守。
査定無料・秘密厳守で、大阪・兵庫・奈良の空き家、相続不動産、アパート、文化住宅、他社で断られた物件などの不動産買取・売却相談を承っています。
「今すぐ売るとは決めていない」
「維持費だけ知りたい」
「家財が残ったまま査定してほしい」
そのような段階からでもご相談いただけます。
よくある質問
Q1.空き家でも固定資産税はかかりますか?
原則として、土地・建物を所有している限り固定資産税がかかります。
誰も住んでいないことだけを理由に、固定資産税が免除されるわけではありません。
Q2.空き家を持ち続けると年間いくらかかりますか?
物件によって異なります。
固定資産税、保険料、電気・水道、見回り、草刈り、交通費などを合計し、さらに数年ごとの修繕費を加えて計算する必要があります。
Q3.空き家になると固定資産税が6倍になりますか?
空き家になっただけで直ちに6倍になるわけではありません。
管理不全空家等・特定空家等として、改善しないまま市区町村から勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れます。
また、実際の税額は負担調整措置などの影響を受けるため、単純に6倍とは限りません。
Q4.売却するか決めていなくても査定できますか?
現在の市場価値や売却方法を確認するための査定は可能です。
査定価格と5年・10年分の維持費を比較することで、保有するか売却するかを判断しやすくなります。
Q5.相続登記が終わっていなくても相談できますか?
査定や建物調査は、相続登記と並行して進められる場合があります。
ただし、買主へ所有権を移転するまでには、原則として売主となる相続人の名義へ整える必要があります。










