再建築不可の長屋は売却できる?「売れない物件」ではなく条件整理が必要な物件
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- 2026/07/24
再建築不可の長屋は売却できるのかを、接道義務、43条許可、私道、相続登記、空き家管理の観点から解説。神戸市や兵庫県内の無接道、路地奥、老朽化した長屋の売却相談にも対応します。
「相続した長屋が再建築不可だった」「不動産会社から売却は難しいと言われた」という相談は少なくありません。
確かに、再建築不可の長屋は、一般的な中古戸建より買主が限られ、売却までに時間がかかることがあります。
しかし、再建築不可だからといって、売買そのものが禁止されているわけではありません。
大切なのは、最初から「売れない家」と決めつけず、接道、私道、建物、権利関係などの条件を一つずつ確認することです。
再建築不可の長屋とは
建築基準法では、建築物の敷地は、原則として同法上の道路に2メートル以上接しなければならないとされています。
この接道義務を満たしていない敷地では、現在の建物を解体した後、原則として新しい建物を建てられません。
このような物件が、実務上「再建築不可物件」と呼ばれています。国土交通省も、無接道敷地では土地や建物の有効活用が進みにくく、状況に応じた解決策が必要になると整理しています。
長屋の場合は、接道の問題に加えて、隣家と壁や屋根、基礎などがつながっていることがあります。
そのため、一戸だけを解体・改修する場合には、建物の構造、登記、隣接住戸との関係も確認しなければなりません。
「再建築不可」が確定しているとは限らない
道路の幅が4メートル未満だからといって、すべて再建築不可になるわけではありません。
その道が建築基準法第42条第2項の道路として指定されていれば、道路中心線から後退するセットバックなどにより、再建築できる可能性があります。
また、道路に2メートル以上接していない場合でも、周辺に広い空地がある、道路ではない農道や安全な通路に接しているなど、一定の条件を満たせば、建築基準法第43条第2項の認定または許可を受けられる場合があります。
ただし、個別審査であり、必ず認められる制度ではありません。
そのため、過去の販売資料に「再建築不可」と書かれていた場合も、自治体の建築指導窓口で次の事項を確認することが重要です。
- 前面通路が建築基準法上の道路か
- 接道している長さは何メートルか
- 2項道路やセットバックの対象か
- 第43条第2項の認定・許可の可能性があるか
- 私道の所有者や持分はどうなっているか
なぜ再建築不可の長屋は売りにくいのか
買主から見ると、再建築不可の長屋には複数の不安があります。
建物が老朽化しても建替えで解決できない可能性があること、長屋の一戸だけでは自由に解体や改修をしにくいこと、通行や配管工事に私道所有者の承諾が必要になることなどです。
さらに、現在は使用できる建物でも、雨漏り、傾き、シロアリ、給排水管の劣化などが進んでいれば、購入後の修繕費が大きくなります。
したがって、再建築可能な戸建と同じ価格で販売するのではなく、建物の状態、土地の利用制限、将来の修繕・解体負担を反映した価格設定が必要です。
相続登記が済んでいるか確認する
相続した再建築不可の長屋を売却するには、原則として相続人名義への相続登記が必要です。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。
遺産分割が後日成立した場合も、成立日から3年以内の登記が必要です。
正当な理由なく申請しない場合は、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
長屋では、土地と建物の名義が異なる、共有者が多い、建物が未登記になっているといったケースもあります。
接道調査だけでなく、登記事項証明書や固定資産税課税明細書も確認しましょう。
放置すると条件がさらに悪くなる
再建築不可で売却が難しいからといって、管理をやめてよいわけではありません。
誰も使用していない状態が続き、屋根や外壁の落下、雑草、害虫、倒壊のおそれなどが生じれば、管理不全空家や特定空家として行政措置の対象になる可能性があります。
ただし、空き家になっただけで固定資産税の住宅用地特例が直ちに外れるわけではありません。
管理不全空家等または特定空家等として市区町村から勧告を受けた場合に、その敷地が特例の対象外となります。
改修や活用という選択肢もある
再建築できなくても、現在の建物を安全に改修して使用できる場合があります。
神戸市では、空き家を地域活動や社会貢献活動に利用する場合、一戸建て住宅だけでなく、長屋の一住戸についても、一定の条件のもとで片付けや改修費用を補助する制度があります。
兵庫県にも空き家を住宅や事業所などへ活用するための改修支援があります。
ただし、これらは用途、所在地、申請時期などに条件があり、一般的な売却や自宅改修がすべて対象になる制度ではありません。
工事契約や着工前に自治体へ確認する必要があります。
再建築不可の長屋を売却するための整理順序
売却を検討するときは、次の順序で条件を確認します。
- 土地と建物の名義・共有者
- 相続登記や未登記建物の有無
- 道路種別・接道幅・通路幅
- 私道の持分、通行・掘削条件
- 長屋全体と対象住戸の建物状態
- 43条認定・許可や隣地取得の可能性
- 現状の条件を反映した売却価格
神戸市兵庫区、長田区、須磨区、中央区、灘区をはじめ、尼崎市、西宮市、明石市、姫路市、加古川市などの兵庫県内には、路地奥、狭小地、私道に面した長屋や古い連棟住宅があります。
株式会社マイダスでは、再建築不可の長屋について、接道、私道、登記、建物状態などを確認し、現状での売却、直接買取、不動産引取を含めた整理方法をご提案しています。
再建築不可の長屋は、一般的な住宅と同じ方法では売りにくい物件です。しかし、再建築できない理由と権利関係を明確にし、現実的な価格と活用方法を整理すれば、売却できる可能性はあります。
「再建築不可だから売れない」のではなく、普通の物件以上に条件の見える化が必要な物件と考えることが大切です。










