相続した土地を売る前に確認したい7つのこと|価格より先に名義・境界・税金を整理する
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- 2026/08/21
相続した土地を売る前に確認したい相続登記、共有関係、接道、境界、譲渡所得、低未利用土地の100万円控除、相続土地国庫帰属制度を解説。
兵庫県内の売れにくい土地や相続土地の相談にも対応します。
相続した土地について、「まず、いくらで売れるのか知りたい」と考える方は少なくありません。
査定を受けることは大切ですが、相続した土地は、名義、共有関係、境界、接道、利用制限などを整理しなければ、買主が見つかっても契約や引渡しの段階で止まることがあります。
土地は建物のように室内の状態が見えない一方、法令や権利関係が価格へ直接影響しやすい不動産です。
「売れるかどうか」を判断する前に、次の7項目を確認しましょう。
1.相続人と遺言書を確認する
最初に、誰が土地を相続する権利を持っているのかを確認します。
遺言書がある場合は、原則としてその内容を基に手続きを進めます。
遺言書がない場合や、遺言書だけでは処理できない財産がある場合は、戸籍を集めて相続人を確定し、遺産分割協議を行います。
相続人が複数いる場合は、次のような方法を検討します。
- 一人が土地を取得して売却する
- 相続人全員の共有名義にして売却する
- 売却代金を相続人間で分ける
- 一人が取得し、ほかの相続人へ代償金を支払う
共有名義にした土地全体を売却するには、原則として共有者全員の合意が必要です。
売却価格だけでなく、測量費、草刈り費、仲介手数料、税金などの負担方法も話し合っておくことが重要です。
2.売却できる名義へ相続登記する
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
相続の開始と、自分がその土地の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請しなければなりません。
遺産分割が後から成立した場合は、成立日から3年以内に、その内容を反映した登記も必要です。正当な理由なく申請義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前の相続で、登記が済んでいない土地も義務化の対象です。
原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。
相続登記が完了する前でも、不動産会社への相談、査定、土地条件の調査はできます。
ただし、買主へ所有権を移転するまでには、売主となる相続人への登記を整えなければなりません。
3.土地の境界と面積を確認する
土地の売却では、登記簿上の面積と実際の面積が一致しているとは限りません。
境界標が見つからない、隣地の塀が越境している、長年利用してきた通路の所有者が別にいるといった問題が見つかることもあります。
境界確定測量がすべての売買で必須というわけではありませんが、買主から実測売買を求められたり、境界確認を契約条件にされたりする場合があります。
売却前には、次の資料を確認します。
- 登記事項証明書
- 公図
- 地積測量図
- 境界確認書
- 固定資産税の課税明細書
- 過去の売買契約書
境界に争いがある土地は売却しにくいだけでなく、相続土地国庫帰属制度でも申請できない場合があります。
4.接道・地目・利用制限を調べる
土地が売れにくい原因は、価格ではなく利用条件にある場合があります。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 建築基準法上の道路に接しているか
- 接道幅を満たしているか
- 再建築できる土地か
- 私道持分や通行権があるか
- 市街化区域か市街化調整区域か
- 地目が農地になっていないか
- 高低差、擁壁、排水に問題がないか
- 土壌汚染や埋設物の可能性がないか
住宅を建てにくい狭小地や無接道地でも、隣地所有者にとっては、庭、駐車場所、通路、敷地拡張として利用価値がある場合があります。
「一般の住宅用地として売れない」と「誰にも売れない」は同じではありません。
誰がどのように利用できる土地なのかを整理することが重要です。
5.譲渡所得と取得費を確認する
相続した土地を売却した場合、譲渡所得は原則として次のように計算します。
売却代金-取得費-譲渡費用-利用できる特別控除
取得費には、土地を購入したときの代金や購入手数料などが含まれます。
仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代など、売却のために直接かかった費用は譲渡費用に該当する場合があります。
相続した土地では、亡くなった方の購入代金や取得時期を原則として引き継ぎます。
相続税評価額や相続時の時価を、そのまま取得費として計算するわけではありません。
取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費にできます。
ただし、実際の取得費より低くなり、課税される譲渡所得が大きくなる可能性があります。
古い売買契約書、領収書、通帳、住宅ローン資料などを探しておくことが大切です。
なお、相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は通常課税されません。
6.利用できる税制を売却前に確認する
低未利用土地の100万円控除
一定の低未利用土地等を売却した場合は、長期譲渡所得から最大100万円を控除できる可能性があります。
現行の適用期限は2028年12月31日です。譲渡価格は原則500万円以下ですが、市街化区域、用途地域設定区域、所有者不明土地対策計画を作成した自治体の区域内などでは800万円以下となります。
主な要件には、次のものがあります。
- 売主が個人である
- 都市計画区域内の低未利用土地等である
- 売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている
- 夫婦や親子など特別な関係にある人への売却ではない
- 買主による売却後の利用が予定されている
- 市区町村から低未利用土地等確認書の交付を受ける
買主が取得後も土地を低未利用のままにする場合や、利用せずに転売する場合は、原則として対象になりません。
確認書の交付を受けても、税務上のほかの要件を満たさなければ特例を利用できないため、契約前に自治体と税理士へ確認することが重要です。
相続税の取得費加算
相続税を納めた人が、相続した土地を一定期間内に売却した場合は、相続税額の一部を取得費に加算できる可能性があります。
対象となるのは、相続または遺贈で財産を取得し、その相続について相続税が課税されている人などです。
適用には確定申告と所定の明細書が必要です。
売却価格だけでなく、税金を差し引いた後にいくら残るのかを確認しましょう。
7.売却と国庫帰属を単純に比べない
相続した土地が売れない場合、相続土地国庫帰属制度を検討できることがあります。
ただし、不要な土地を無条件で無料返還できる制度ではありません。
申請時には、土地1筆当たり1万4,000円の審査手数料が必要です。
審査の結果、却下や不承認になっても手数料は返還されません。
承認後は、土地の種類や面積などに応じた負担金を納付します。
また、次のような土地は申請できない、または承認されない可能性があります。
- 建物が残っている
- 抵当権、賃借権、地役権などが設定されている
- 境界が明らかでない、または争いがある
- 土壌汚染がある
- 一定の崖があり、管理に過大な費用がかかる
- 地中埋設物などが管理の支障になる
相続土地国庫帰属制度は出口の一つですが、建物の解体、境界の整理、審査手数料、負担金を含めると、現状売却や不動産引取の方が適する場合もあります。
相続した土地を整理する基本の順番
相続した土地は、次の順番で確認すると進めやすくなります。
- 相続人と遺言書を確認する
- 遺産分割の方針を決める
- 相続登記を進める
- 境界・接道・利用制限を調査する
- 現状での査定価格を確認する
- 譲渡所得と税制を試算する
- 一般売却、隣地売却、直接買取、国庫帰属を比較する
神戸市、尼崎市、西宮市、明石市、姫路市、加古川市をはじめ、南あわじ市、播磨町など兵庫県内でも、相続した土地の市場性は、立地、接道、形状、境界、法令上の利用制限によって異なります。
株式会社マイダスでは、相続した土地、狭小地、変形地、無接道地、私道が関係する土地、他社で断られた土地について、名義、接道、境界、管理負担などを確認し、一般市場での売却、隣地への提案、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。
相続した土地は、すぐに価格だけを確認するのではなく、誰が売るのか、どこまでが所有地なのか、どのような利用ができるのか、売却後に税金がいくらかかるのかを順番に整理することが大切です。
「売れない土地」と決めつける前に、売却を妨げている条件を一つずつ確認することで、その土地に合った現実的な出口が見えやすくなります。










