空き家を放置すると何が問題になる?時間とともに建物・税金・売却条件の負担が重なります
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- 2026/08/19
空き家を放置した場合に生じる建物の劣化、近隣トラブル、管理不全空家、住宅用地特例、相続登記、売却への影響を解説。兵庫県内の相続空き家や築古住宅の整理にも対応します。
親から相続した実家や、住む人がいなくなった古い戸建について、「今すぐ困っていないので、しばらくそのままにしておこう」と考えることがあります。
家族の思い出や家財が残っており、すぐに売却や解体を決められないことも自然です。
ただし、空き家は保有しているだけで直ちに問題になるわけではないものの、管理しない状態が続くと、建物、近隣関係、税金、相続手続、売却条件の問題が重なりやすくなります。
全国の空き家は900万2,000戸
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。
このうち、賃貸用・売却用および二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸です。
ただし、これらには地域、建物状態、利用目的が異なる住宅が含まれています。空き家が増えているからといって、すべての地域で同じように売れにくくなっているとは限りません。
重要なのは、使い道が決まっていない住宅が増え、所有者による管理や整理が社会的な課題になっていることです。
1.建物の不具合に気づきにくくなる
人が住んでいる住宅では、換気、通水、掃除が日常的に行われ、雨漏りや設備の故障にも比較的早く気づけます。
空き家では、こうした機会が減るため、湿気、カビ、排水設備の不具合、屋根や外壁の損傷などの発見が遅れる可能性があります。
国土交通省も、空き家の管理では、定期的な換気、通水、敷地内の清掃、庭木の剪定、郵便物の確認などが重要だと案内しています。
「空き家になれば必ず急速に劣化する」とは限りませんが、点検されない期間が長くなるほど、小さな不具合を早期に補修する機会を失いやすくなります。
2.近隣や通行人へ影響する可能性がある
管理されていない空き家では、屋根材や外壁の落下、塀の倒壊、庭木の越境、害虫やねずみ、悪臭、不法侵入などが問題になることがあります。
空き家が原因で通行人や隣家に損害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあります。
遠方に住んでいて自分で点検できない場合は、親族、近隣の管理会社、空き家管理事業者などへ定期的な確認を依頼する方法があります。
売却する予定があっても、引渡しが終わるまでは所有者による管理が必要です。
3.管理不全空家等として措置を受ける可能性がある
2023年12月に施行された改正空家法では、周囲へ著しい悪影響を及ぼす「特定空家」だけでなく、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある住宅を「管理不全空家」として、市区町村が指導・勧告できるようになりました。
ただし、誰も住んでいないというだけで、直ちに管理不全空家等になるわけではありません。
屋根や外壁の損傷、立木の越境、衛生状態などを踏まえ、市区町村が物件ごとに判断します。
指導を受けた場合は、指摘された部分を確認し、必要な補修、清掃、樹木の剪定などを行うことが重要です。
4.住宅用地特例から外れる場合がある
住宅が建っている土地には、固定資産税などの負担を軽減する住宅用地特例があります。
200㎡以下の小規模住宅用地では、原則として固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されます。
空き家になっただけで、この特例が直ちに外れるわけではありません。
しかし、管理不全空家等または特定空家等として指導を受け、改善しないまま市区町村長から勧告を受けると、敷地は住宅用地特例の対象外となります。
また、次のような場合には、勧告の有無にかかわらず、特例の対象となる「住宅」に該当しないと判断される可能性があります。
- 建物が構造上、住宅と認められない状態にある
- 使用する見込みがなく、取り壊しを予定している
- 居住に必要な管理を怠り、今後も住宅として使用される見込みがない
なお、特例が外れても固定資産税額が単純に6倍になるとは限りません。
課税標準、負担調整措置、土地の評価額などによって実際の税額は異なります。
5.相続登記を先送りすると売却準備が遅れる
相続した空き家が亡くなった方の名義のままになっている場合は、相続登記を確認します。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続の開始と、自分がその不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則3年以内に申請する必要があります。
制度開始前の相続で未登記の不動産も対象で、原則として2027年3月31日までに対応しなければなりません。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
相続登記を長期間行わない間に次の相続が発生すると、関係する相続人が増え、戸籍の収集や遺産分割の調整が複雑になることがあります。
売却をまだ決めていない段階でも、土地と建物の名義、相続人、遺言書、遺産分割の状況は確認しておくことが大切です。
6.売却時に買主が判断しにくくなる
空き家の売却で買主が確認するのは、空き家だった期間だけではありません。
重要なのは、現在の状態と、購入後に必要となる費用を判断できるかどうかです。
例えば、次のような状態では、買主が慎重になりやすくなります。
- 雨漏りや傾きの有無が分からない
- 給排水設備が使用できるか確認できない
- 修繕や増改築の履歴がない
- 家財や廃棄物が大量に残っている
- 接道、私道、境界の状況を説明できない
- 土地と建物の名義が一致していない
- 再建築できるか分からない
一方、長期間空き家だった住宅でも、定期的に管理され、建物状態や土地条件を説明できれば、現況利用やリフォームを前提とする買主が検討する可能性があります。
「長く空いていたから売れない」のではなく、状態や費用が分からないために、買主が判断できないことが問題になる場合があります。
空き家を解体する前に売却方法を比較する
古い空き家では、解体して更地にすれば売りやすくなるように見えることがあります。
しかし、解体費を売却価格で回収できるとは限りません。
再建築不可物件では、現在の建物を解体すると利用価値が下がる可能性もあります。
また、建物を取り壊した後は住宅用地ではなくなり、翌年度以降の固定資産税などの扱いが変わる場合があります。
解体前には、次の方法を比較することが大切です。
- 古家付きの現状で売却する
- 最低限の管理や補修をして売却する
- 家財を残したまま直接買取を依頼する
- 更地にして一般市場で売却する
- 隣地所有者へ提案する
放置状態から抜け出すための確認事項
すぐに売却を決められない場合でも、次の内容は確認しておきましょう。
- 土地と建物の名義
- 相続人と共有持分
- 雨漏り、外壁、屋根、塀の状態
- 庭木や雑草の越境
- 固定資産税、保険料、管理費
- 接道、私道、境界
- 家財や残置物
- 今後、自分や家族が使用する予定
- 現在の状態で売却した場合の査定価格
神戸市兵庫区、長田区、須磨区、垂水区をはじめ、尼崎市、西宮市、明石市、姫路市、加古川市、南あわじ市、播磨町など、兵庫県内でも空き家の市場性は、立地、接道、建物状態、土地面積によって異なります。
株式会社マイダスでは、相続した実家、築古戸建、長屋、文化住宅、再建築不可物件について、名義、建物状態、家財、接道、管理負担などを確認し、一般市場での売却、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。
空き家を保有しているだけで、すぐに大きな問題が発生するとは限りません。
しかし、管理しない状態が続けば、建物の不具合、近隣への影響、相続登記、税制、売却条件の問題が重なりやすくなります。
すぐに売るか残すかを決められなくても、まず名義と建物状態を確認し、定期的な管理を始めることが、将来の選択肢を残す第一歩です。










