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相続不動産を売却する前に知っておきたい基本の流れ|名義・権利・税金を順番に整理する

相続不動産を売却する際の基本的な流れを、相続人の確認、遺産分割、相続登記、査定、譲渡所得、取得費加算、空き家の3,000万円控除から解説。兵庫県内の相続空き家や土地の相談にも対応します。

相続で実家や土地を引き継いだとき、まず「いくらで売れるのか」を知りたいと考える方は少なくありません。

査定を受けることは大切ですが、相続不動産は通常の不動産売却と異なり、所有者、相続人、税金などを整理しなければ、買主が見つかっても契約や引渡しを進められないことがあります。

相続不動産は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

1.財産と債務の全体を確認する

最初に、不動産だけでなく、預貯金、借入金、未払い税金、抵当権など、亡くなった方の財産と債務を確認します。

借金が多く相続放棄を検討する場合は、原則として、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きする必要があります。

判断材料がそろわない場合は、期間伸長を申し立てられることもあります。

売却を進める前に、弁護士や司法書士へ確認することが重要です。

2.相続人と遺言書を確認する

次に、戸籍を集めて相続人を確定し、遺言書の有無を確認します。

遺言書がなければ、相続人間で遺産分割協議を行い、不動産を誰が取得するのか、売却代金をどのように分けるのかを決めます。

相続人が複数いる不動産を共有名義にする場合、不動産全体の売却には原則として共有者全員の合意が必要です。

売却価格だけでなく、仲介手数料、測量費、解体費、税金などの負担方法も遺産分割の段階で話し合っておきましょう。

3.売却できる名義へ相続登記する

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

相続の開始と、自分がその不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。

遺産分割が後から成立した場合は、成立日から3年以内に、その内容を反映した登記が必要です。

正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

2024年4月1日より前に発生した相続で、登記が済んでいない不動産も義務化の対象です。

原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。

期限内の通常登記が難しい場合は、相続人申告登記を利用できます。

ただし、これは不動産の権利関係を確定する登記ではありません。

不動産を売却したり、抵当権を設定したりする場合は、別途、正式な相続登記が必要です。

査定や物件調査は、登記準備と並行して進められます。

ただし、買主への所有権移転までには、売主となる相続人への相続登記を整えなければなりません。

4.土地と建物の状態を調べる

名義と並行して、売却する不動産の状態を確認します。

相続した実家では、相続人が建物の修繕履歴や土地の条件を詳しく知らないことがあります。

少なくとも、次の内容を調べます。

  • 土地と建物の登記内容
  • 抵当権や差押えの有無
  • 境界標や越境
  • 道路種別と接道幅
  • 私道持分や通行・掘削条件
  • 未登記建物や増築部分
  • 雨漏り、傾き、シロアリ被害
  • 入居者や賃貸借契約
  • 家財・残置物
  • 固定資産税や年間管理費

長屋、文化住宅、再建築不可物件、農地、市街化調整区域の土地などは、一般的な中古戸建以上に確認事項が多くなります。

5.査定を受けて売却方法を比較する

査定では、提示された金額だけでなく、売却方法と手取り額を比較します。

一般の買主を探す仲介売却は、高く売れる可能性がある一方、売却までの期間や契約不適合責任などを確認する必要があります。

直接買取は、仲介より価格が低くなる場合がありますが、築古住宅、家財が残る空き家、再建築不可物件などを現状で整理できる可能性があります。

相続不動産では、次の金額を比較することが大切です。

  1. 売却価格
  2. 仲介手数料、測量費、解体費などの売却費用
  3. 住宅ローンや抵当権の抹消費用
  4. 売却後の税金
  5. 最終的に相続人へ残る手取り額

高額なリフォームや解体を先に行っても、その費用を売却価格で回収できるとは限りません。

まず現状で査定を受けてから判断しましょう。

6.譲渡所得と取得費を確認する

相続不動産を売却したときの譲渡所得は、原則として次のように計算します。

売却代金-取得費-譲渡費用-利用できる特別控除

相続した土地や建物の取得費は、原則として亡くなった方が購入した際の代金や手数料などを引き継ぎます。

所有期間の判定についても、亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。

相続税評価額や相続時の時価を、そのまま取得費にできるわけではありません。

購入時の契約書などが見つからず取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費として計算できます。

ただし、実際の購入価格より大幅に低い取得費となり、譲渡所得が大きくなる場合があります。

古い売買契約書、領収書、通帳、住宅ローン資料などをできる限り探すことが重要です。

7.利用できる税制を売却前に比較する

相続税を納めた人が、相続した不動産を一定期間内に売却した場合は、相続税額の一部を取得費へ加算できる可能性があります。

取得費加算の特例は、相続または遺贈で財産を取得し、その人に相続税が課税されていることなどが要件です。

売却期限は、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までで、一般的には相続開始からおおむね3年10か月以内となります。

相続した実家が一定の要件を満たす場合は、被相続人の居住用財産に係る最高3,000万円の特別控除を利用できることもあります。

現行制度では2027年12月31日までの譲渡が対象で、相続人が3人以上の場合は一人当たりの上限が2,000万円となります。

建築時期、利用状況、売却期限、売却価格などに細かな条件があります。

この空き家特例と取得費加算の特例は、原則として同じ売却に併用できません。

どちらが有利かを売買契約前に税理士へ確認することが大切です。

相続不動産を売却する基本の順番

相続不動産は、次の順番で進めると問題を把握しやすくなります。

  1. 財産と債務を確認する
  2. 相続人と遺言書を確認する
  3. 遺産分割の方針を決める
  4. 相続登記を進める
  5. 土地・建物・権利関係を調査する
  6. 査定と売却方法を比較する
  7. 譲渡所得と利用できる特例を試算する
  8. 売買契約、引渡し、確定申告を行う

神戸市、尼崎市、西宮市、明石市、姫路市、加古川市をはじめ、南あわじ市、播磨町など兵庫県内でも、相続した中古戸建、空き家、長屋、文化住宅、土地、再建築不可物件は、名義や物件条件によって売却方法が異なります。

株式会社マイダスでは、相続不動産について、登記状況、接道、建物状態、家財、共有関係などを確認し、一般市場での売却、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。

登記や税金については、必要に応じて司法書士や税理士などの専門家と連携して整理します。

相続不動産の売却は、査定だけを先に進めるものでも、相続登記が終わるまで何もできないものでもありません。

相続人・名義・物件状態・税金を確認しながら、査定と売却準備を並行して進めることが、途中で手続きを止めないための現実的な進め方です。

 

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