空き家はどうするべき?売却・保有・活用を判断するための基本的な考え方
- 新着情報
- 2026/08/25
空き家を売却・保有・活用のどれで整理するべきか、相続登記義務化、空き家統計、管理不全空家、住宅用地特例、2026年の住宅政策から解説。
兵庫県内の相続空き家や築古住宅の相談にも対応します。
相続した実家や、住む人がいなくなった中古戸建について、「売るべきか」「残すべきか」「賃貸などに活用できるのか」と悩む方は少なくありません。
思い出のある家であれば、すぐに処分を決められないのは自然なことです。
ただし、利用予定も管理方法も決めずに「とりあえず残す」と、固定資産税、保険料、草刈り、修繕、近隣対応などの負担が続きます。
空き家をどうするかは、感情だけでなく、名義・建物状態・年間負担・将来の利用予定・現在の売却価格を確認して判断することが大切です。
全国の空き家は900万2,000戸
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。
このうち、賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸です。
ただし、空き家が増えたからといって、すべての地域で同じように売れにくくなっているわけではありません。
駅や生活施設に近い住宅、土地需要がある住宅、現況利用できる住宅には売却や活用の可能性があります。
一方、無接道、再建築不可、著しい老朽化、共有名義などの条件があれば、一般的な中古戸建とは異なる整理方法が必要です。
最初に名義と相続人を確認する
相続した空き家では、売却・保有・活用を決める前に、土地と建物の登記名義を確認します。
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。
相続の開始と、自分が不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。
制度開始前に発生した相続で、亡くなった方の名義のままになっている不動産も対象となり、原則として2027年3月31日までの対応が必要です。正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
相続人が複数いる場合は、誰が取得するのか、共有で保有するのか、相続人全員で売却するのかも決めなければなりません。
売却を検討しやすいケース
次のような場合は、保有を続けるより、早めに売却条件を確認する方が現実的なことがあります。
- 今後、自分や家族が住む予定がない
- 遠方にあり定期的な管理が難しい
- 固定資産税や管理費の負担が大きい
- 雨漏りや老朽化が進み始めている
- 相続人間で早めに財産を分けたい
- 賃貸や事業利用の需要が見込めない
売却方法は一つではありません。
現在の建物を使う中古住宅として売る、古家付き土地として売る、隣地所有者へ提案する、現状のまま直接買取を依頼するといった方法があります。
家財を処分したり、建物を解体したりすれば必ず高く売れるとは限りません。
再建築不可物件では、解体によって利用価値が下がる場合もあるため、工事を始める前に現状で査定を受けることが重要です。
保有を続けるなら期限と管理方法を決める
将来自分や家族が住む予定がある、土地として残す理由があるなど、保有に具体的な目的があれば、すぐに売却する必要はありません。
ただし、「いつか使うかもしれない」だけでは、保有の判断として不十分になりやすいです。
保有を選ぶ場合は、次の内容を決めておきましょう。
- 誰が定期的に見回るのか
- 年間の税金・保険料・管理費はいくらか
- 雨漏りや外壁などの補修費を負担できるか
- いつまで空き家として保有するのか
- 予定期間を過ぎた場合にどうするのか
国土交通省は、空き家の適切な管理として、建物内外の点検、通気・換気、通水、清掃などを定期的に行うよう案内しています。
遠方などで所有者自身による対応が難しい場合は、空き家管理業者などを利用する方法もあります。
活用できるかは収支と需要で判断する
空き家は、売却か保有の二択ではありません。建物状態や地域需要によっては、賃貸住宅、店舗、事務所、地域交流施設などへの活用を検討できる場合があります。
2026年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、既存住宅・住宅地を市場を通じて有効活用し、住宅ストックの価値を適切に評価する方向が示されています。
ただし、国が既存住宅の活用を重視しているからといって、どの空き家でも収益化できるわけではありません。
活用前には、少なくとも次の内容を確認します。
- その地域に賃貸・店舗などの需要があるか
- 雨漏り、耐震性、設備などに問題がないか
- 改修費を家賃や事業収入で回収できるか
- 継続して管理・運営できる人がいるか
- 用途変更や消防・建築上の条件を満たせるか
高額なリフォームを先に行うのではなく、改修費、想定収入、空室リスクを計算し、現状売却した場合の手取り額と比較することが大切です。
空き家になっただけで固定資産税が上がるわけではない
住宅が建っている土地には、固定資産税などの負担を軽減する住宅用地特例があります。
200㎡以下の小規模住宅用地では、原則として固定資産税の課税標準が6分の1になります。
空き家になっただけで、この特例が直ちに外れるわけではありません。
ただし、適切に管理されず、管理不全空家等または特定空家等として市区町村から指導を受け、改善しないまま勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象外になります。
税額が単純に6倍になるとは限りませんが、土地の保有負担が増える可能性があるため、売却を検討中であっても管理を止めないことが重要です。
既存住宅市場が広がっても空き家が一律に売れるわけではない
2024年の既存住宅流通シェアは、戸建住宅で33.3%、マンションで62.6%まで上昇しています。
既存住宅を購入する取引が増えていることは分かりますが、築古の空き家や再建築不可物件まで一律に売れやすくなったことを示す数字ではありません。
買主が確認するのは、築年数だけではなく、次のような条件です。
- 接道と再建築の可否
- 建物状態と修繕費
- 境界、越境、私道
- 相続登記と共有関係
- 家財や残置物
- 売出価格と土地価値
「中古住宅市場が広がっているから売れる」と考えるのではなく、その空き家をどのような買主が、どの用途で検討できるのかを整理する必要があります。
三つの数字を比較して方向を決める
売却・保有・活用で迷った場合は、次の三つの数字を比較すると判断しやすくなります。
- 今後5年間保有した場合の総費用
固定資産税、保険料、草刈り、管理、修繕など - 活用に必要な費用と収入見込み
改修費、募集費、維持費、想定家賃、空室期間など - 現在の状態で売却した場合の手取り額
売却価格から仲介手数料、測量費、解体費、税金などを差し引いた金額
感情的に残すか処分するかを決めるのではなく、費用と実現可能性を比較することが大切です。
神戸市、尼崎市、西宮市、明石市、姫路市、加古川市をはじめ、南あわじ市、播磨町など兵庫県内でも、空き家に適した整理方法は、地域、接道、建物状態、土地面積によって異なります。
株式会社マイダスでは、相続した実家、築古戸建、長屋、文化住宅、再建築不可物件について、名義、建物状態、家財、接道、管理負担などを確認し、一般市場での売却、古家付き土地としての販売、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。
空き家は、必ず売るべきものでも、残すべきものでもありません。
大切なのは、使う予定と管理体制があるなら保有、需要と収支が合うなら活用、どちらも難しければ売却を比較することです。
「とりあえず残す」と決める前に、現在の建物状態、年間負担、利用予定、売却価格を確認し、その空き家にとって無理のない方向を選ぶことが重要です。










