不動産売却でよくある失敗例
- 新着情報
- 2026/05/29
「もっと早く知っておけばよかった」を防ぐための基本ポイント
不動産売却でよくある失敗例を解説。高すぎる価格設定、1社だけで決める、売却スケジュールを考えない、権利関係の確認不足など、よくある落とし穴を整理します。
不動産売却は、人生で何度も経験することではありません。
そのため、売却を始める段階では
「何に気をつければいいのか分からない」
「とにかく高く売りたい」
「なるべく早く終わらせたい」
という気持ちが先に立ちやすいです。
ただ実際には、売却で起こる失敗にはある程度共通点があります。国土交通省は媒介委託者向けに、不動産売却には媒介契約の選択、レインズ登録、相手方探索、報告内容など、確認すべき制度上のポイントがあると案内しています。
価格設定やスケジュールの考え方を誤ると売却が長引いたり条件が悪化したりする例が多いと整理されています。
失敗例1 相場とかけ離れた価格で売り出してしまう
もっとも多い失敗の一つが、相場とかけ離れた高値で売り出してしまうことです。
希望価格があるのは当然ですが、不動産は「売りたい金額」ではなく、「市場で買われる金額」に近づけないと動きにくくなります。
相場価格とかけ離れた高額設定は避けるべきで、家が売れるまでに長い期間がかかったり、売れ残ったりするおそれがあると説明しています。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは実際の取引価格を確認できるため、相場を調べずに価格を決めるのは危険です。
価格が高すぎると、最初の反響が弱くなり、結果として「長く売れ残っている物件」という印象を持たれやすくなります。
そうなると、後で値下げしても売れにくくなることがあります。売り出し価格は売主が決められる一方で、実際の市場データを踏まえることが重要です。
失敗例2 1社だけで決めてしまう
次によくあるのが、最初に相談した1社の意見だけで売却方針を決めてしまうことです。
国土交通省は、媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3類型があり、物件内容や情報公開範囲、希望する探索方法を踏まえて不動産業者とよく相談して選ぶよう案内しています。
つまり、売り方や依頼方法には複数の選択肢があります。にもかかわらず、1社だけで決めてしまうと、査定額の妥当性、売却方法、販売戦略を比較しにくくなります。
特に、
- 相続不動産
- 築古住宅
- 再建築不可物件
- 接道や私道に課題がある土地
などは、不動産会社によって見方が大きく変わります。
「売れない」と言われても、別の会社では別の整理方法を提案できることがあります。比較をしないまま進めること自体が、失敗のきっかけになりやすいです。
失敗例3 売却スケジュールを考えない
不動産売却は、査定を取ればすぐ終わるものではありません。
不動産の売却には平均して3〜4カ月かかるとされ、場合によっては半年、1年と長引くこともあると説明しています。つまり、住み替え、相続整理、資金計画などとセットで考えないと、思わぬところで困ることがあります。
よくあるのは、
- 住み替え先の購入時期と合わない
- 相続手続きが終わる前に売却を急ぐ
- 空き家の管理負担が想定より長く続く
- 住宅ローン残債との兼ね合いを見落とす
といった失敗です。
売却は「いくらで売るか」だけでなく、「いつまでにどう進めるか」を考える必要があります。
スケジュールを考えないまま動くと、価格面でも手続き面でも不利になりやすいです。
失敗例4 名義や権利関係の確認を後回しにする
特に相続不動産で多いのが、権利関係を十分確認しないまま売却相談を進めてしまうことです。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
名義が亡くなった方のままだったり、共有名義になっていたりすると、売却は思ったよりスムーズに進みません。
また、権利や契約内容の理解不足はトラブルの原因にもなります。
不動産適正取引推進機構の紛争事例データベースは、重要事項説明、契約成立・解除、媒介契約と報酬請求など、さまざまな不動産取引トラブル事例を蓄積しており、取引前の確認不足が紛争につながることを示しています。
失敗例5 査定額をそのまま「売れる金額」だと思い込む
査定額はあくまで不動産会社の見立てであり、その価格で必ず売れる保証ではありません。
国土交通省の資料でも、媒介契約後に行われるのは価格設定だけでなく、相手方探索や進捗報告などを含む売却活動であり、実際の売買は市場の反応を見ながら進みます。つまり査定額はスタート地点に近いものです。
ここを誤解すると、
- 高い査定額だけで会社を選ぶ
- 値下げの判断が遅れる
- 現実的な売却方針を見失う
といった失敗につながります。
大切なのは金額そのものより、なぜその査定額なのか、根拠を説明できるかを見ることです。
失敗例6 良かれと思って先に大きなお金をかける
査定前や売却前に、
- リフォーム
- 解体
- 大量の残置物処分
- 測量手配
などを先に進めすぎてしまうのも、よくある失敗です。
もちろん、状況によって必要な整備はあります。
ただ、売り方が決まる前に大きな費用をかけると、その費用を売却価格で回収できないことがあります。
古いトラブル対策資料でも、「買い手が見つかった」「測量しないと売れない」などと言われて不必要な支出や不利な契約に進んでしまう危険が示されています。
また、家を売る時にやってはいけないこととして、相場やスケジュールを見ずに自己判断で進めることが挙げられています。
つまり、売却準備は先にお金をかけることより、何が必要かを見極めることが大切です。
失敗例7 急かされて判断してしまう
売却では、不安につけ込まれて判断を急いでしまうこともあります。
高齢の売主が低額で不動産売買契約を締結させられたとして、後に公序良俗違反や意思確認の問題が争われたケースも掲載されています。これは極端な例ですが、「今すぐ決めないとダメです」という圧力に流される危険性を示しています。
本来、不動産売却は大きな資産の整理です。
媒介契約の種類や報告の仕組みも法制度上定められており、十分に比較・検討する時間を持つことが前提になっています。
急かされて決めることは、それだけで失敗の入り口になりやすいです。
まとめ
失敗しやすいのは「知識不足」より「順番の誤り」
不動産売却でよくある失敗例は、
- 相場より高すぎる価格設定
- 1社だけで決める
- スケジュールを考えない
- 名義や権利関係の確認不足
- 査定額の誤解
- 先に費用をかけすぎる
- 急かされて判断する
といったものです。
どれも、特別な知識がないから起きるというより、順番を間違えたり、比較を省いたりすることで起きやすい失敗です。
不動産売却は、「高く売れるか」だけでなく、安全に、納得して、無理なく整理できるかが大切です。
だからこそ、慌てて動くより、相場、権利、売却方法、スケジュールを一つずつ整理して進めることが、結果的に一番失敗が少ない方法になります。
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