2026年、省エネ・性能重視で古い住宅はどう見られる?築年数だけでなく「説明できる状態」が重要
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- 2026/08/26
2026年の省エネ・性能重視の市場で、古い住宅がどう評価されるのかを解説。
省エネ基準適合義務化、省エネ性能表示制度、住宅ローン減税、既存住宅流通の動向から、築古住宅を売却する際のポイントを紹介します。
2026年の住宅市場では、築年数や立地に加えて、断熱性、省エネ設備、耐震性、修繕履歴などを確認する動きが進んでいます。
その背景にあるのが、2025年4月から始まった省エネ基準適合の全面義務化や、2024年4月から運用されている省エネ性能表示制度です。
ただし、これらの制度が始まったからといって、古い住宅が一律に売れなくなるわけではありません。
今後は、単に「築何年か」だけでなく、どのように維持され、どの性能や状態を説明できるかも比較材料になりやすいと考える方が現実的です。
省エネ基準の義務化は新築住宅が中心
2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅・非住宅では、省エネ基準への適合が義務付けられています。
断熱性能や設備のエネルギー効率について、一定の基準を満たさなければ新築できない仕組みです。
国は、遅くとも2030年までに新築住宅の基準をZEH水準へ引き上げる方向も示しています。
一方、すでに建っている中古住宅を売却するだけで、現在の新築基準に合わせた断熱改修を求められるわけではありません。
そのため、「省エネ基準を満たしていない古い家は売れない」「売却前に必ず断熱工事が必要」という説明は正確ではありません。
ただ、新築住宅の性能水準が上がることで、中古住宅についても、夏冬の室温、窓の種類、給湯器、光熱費などを気にする買主が検討材料として重視する可能性はあります。
省エネ性能表示は既存住宅にも使える
2024年4月から始まった省エネ性能表示制度では、新築建築物を販売・賃貸する事業者に、広告などで省エネ性能ラベルを表示する努力義務が設けられています。
ラベルには、エネルギー消費性能や断熱性能が星や家のマークなどで表示されます。
既存住宅についても、性能が判明している場合は表示が推奨されていますが、表示しないことによる勧告等の対象にはなりません。
したがって、一般の築古住宅すべてに、省エネ性能ラベルを用意しなければならないわけではありません。
一方、性能評価書や省エネ性能を証明する書類が残っている住宅は、買主が性能を比較しやすくなります。
窓や給湯器など一部の省エネ改修を行った既存住宅では、改修部位を示す省エネ部位ラベルを活用できる場合もあります。
既存住宅流通シェア43.6%の見方
国土交通省の資料では、戸建住宅とマンションを合わせた既存住宅流通シェアは、2008年の29.6%から2024年には43.6%へ上昇しています。
ただし、2024年の内訳は、戸建住宅が33.3%、マンションが62.6%です。
既存住宅全体の取引割合が上昇していても、築古戸建と中古マンションでは市場状況が大きく異なります。
この数字から「中古住宅を選ぶ取引が一定の割合を占めている」ことは分かりますが、古い戸建住宅がすべて売れやすくなったとは判断できません。
立地、接道、耐震性、建物状態、価格、住宅ローンの利用可能性などは、引き続き個別に確認されます。
住宅ローン減税でも性能の高い既存住宅を支援
2026年度の住宅ローン減税では、省エネ性能の高い既存住宅に対する支援が拡充されました。
省エネ性能の区分に応じた借入限度額の引上げ、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ、控除期間13年への拡充などが行われています。
ただし、所有者が「断熱性の高い家です」と説明するだけでは、税制上の省エネ住宅として扱われるとは限りません。
住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書など、対象区分を確認できる書類が必要になります。
また、住宅ローン減税の利用には、買主本人の所得、床面積、返済期間、耐震基準など、ほかの要件もあります。
住宅ローン減税の対象になることと、金融機関の住宅ローン審査に通ることも別の問題です。
古い住宅で比較されやすいポイント
2026年の市場で古い住宅を売却する場合、買主は築年数だけでなく、次のような内容を確認します。
- 窓が単板ガラスか複層ガラスか
- 断熱材やサッシを改修しているか
- 給湯器や冷暖房設備の更新時期
- 雨漏り、傾き、シロアリ被害の有無
- 耐震診断や耐震改修の履歴
- 屋根、外壁、配管などの修繕履歴
- 建築確認書類や図面が残っているか
- 接道、私道、再建築の可否
- 購入後に必要となる修繕費
築年数が同じ住宅でも、定期的に修繕され、工事内容を説明できる住宅と、状態や履歴がほとんど分からない住宅では、買主の判断のしやすさが異なります。
ただし、性能資料がないから売れないわけではありません。
分かっていること、不明なこと、今後必要になりそうな工事を分けて説明することが重要です。
売却前の高額な省エネ改修は慎重に判断する
古い住宅を売るために、窓交換や断熱改修、給湯器の更新を検討することがあります。
生活の快適性を高める工事としては有効ですが、売却前に行った工事費を、売却価格で全額回収できるとは限りません。
築古住宅では、省エネ性能以外にも、雨漏り、耐震性、接道、私道、再建築、境界などが価格へ影響します。
断熱改修だけを行っても、ほかの問題が大きければ評価が十分に上がらない場合があります。
工事を始める前に、次の三つを比較することが大切です。
- 現状のまま売却した場合の価格
- 最低限の補修をした場合の価格と費用
- 省エネ改修まで行った場合の価格と費用
株式会社マイダスでは、大規模なリフォームを前提とせず、現在の状態での売却や直接買取も含めて整理します。
売主が準備したい資料
古い住宅を売却する際は、残っている範囲で次の資料を集めましょう。
- 建築確認済証や検査済証
- 設計図面
- リフォームや設備交換の請求書
- 耐震診断・耐震改修の記録
- 住宅性能評価書
- 住宅省エネルギー性能証明書
- インスペクションの結果
- 屋根、外壁、給湯器などの保証書
書類がすべてそろわなくても、いつ、どこを、どのように直したかを整理するだけで、買主は購入後の費用を検討しやすくなります。
奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、香芝市、大和高田市など奈良県内でも、古い住宅の市場性は、立地、接道、建物状態、土地面積によって異なります。山間部の古民家、長屋、再建築不可物件などは、一般的な中古戸建とは異なる買主や売却方法を検討する必要があります。
株式会社マイダスでは、相続した築古戸建、空き家、古民家、長屋、再建築不可物件について、名義、接道、建物状態、修繕履歴、家財などを確認し、一般市場での売却、古家付き土地としての販売、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。
2026年の省エネ・性能重視の流れによって、古い住宅が一律に不利になるわけではありません。
一方で、省エネ性能が不明でも問題ない時代から、建物の性能や維持管理の状況も比較材料の一つになる市場へ進んでいると考えられます。
2026年の住生活基本計画でも、既存住宅・住宅地を市場を通じて本格的に有効活用する方向が示されています。
築年数だけで売れないと決めつけず、性能、修繕履歴、建物状態、立地、土地条件を整理し、その住宅に合った価格と売却方法を選ぶことが大切です。










