空き家を処分したいときの選択肢|売却・買取・解体・保有整理を順番に比較
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- 2026/08/31
空き家を処分したいときの選択肢を、現況売却、直接買取、解体後の土地売却、保有整理、活用の5つに分けて解説。
相続登記、管理不全空家、住宅用地特例、空き家の3,000万円特別控除も紹介します。
相続した実家や長年使っていない住宅について、「管理が大変なので処分したい」と考える方は少なくありません。
空き家の処分というと、一般の買主へ売る方法を思い浮かべますが、実際には一つの方法だけではありません。
建物を残したまま売る、現状で買い取ってもらう、解体して土地として売る、一定期間管理しながら権利関係を整理するなど、物件の状態に応じて複数の方法があります。
大切なのは、最初から解体や値下げを決めるのではなく、名義、接道、建物状態、年間負担を確認してから、費用を含めて比較することです。
全国の空き家は900万2,000戸
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。
このうち、賃貸用・売却用および二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸です。
ただし、空き家が増えているからといって、すべての地域で同じように売れにくくなっているわけではありません。
駅や生活施設に近い住宅、土地需要がある住宅、改修して利用できる住宅には売却の可能性があります。
一方、再建築不可、私道、境界未確定、著しい老朽化などの条件があれば、一般的な中古戸建とは異なる処分方法が必要です。
最初に土地と建物の名義を確認する
相続した空き家では、土地と建物が亡くなった方の名義のままになっていることがあります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。
相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。
2024年4月1日より前に発生した相続で、登記が済んでいない不動産も対象です。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
相続人が複数いる場合は、誰が不動産を取得するのか、誰が売却手続きを進めるのか、費用や売却代金をどのように分けるのかも整理します。
相続登記が完了する前でも査定や物件調査はできます。登記準備と売却方法の検討を並行して進める方が現実的です。
選択肢1 建物を残したまま仲介で売却する
まず検討したいのが、建物を残したまま中古住宅または古家付き土地として売却する方法です。
この方法では、売主が先に解体費を負担する必要がありません。
買主が自分の希望に合わせて改修や解体を判断できます。
売却前には、次の内容を確認します。
- 雨漏り、傾き、シロアリ被害
- 給排水設備や電気設備の状態
- 建築確認書類や修繕履歴
- 未登記の増築部分
- 家財や残置物
- 接道、私道、境界、越境
- 再建築できる土地かどうか
すべてを修理する必要はありません。確認できたことと、不明なことを分けて買主へ説明できるようにすることが重要です。
住宅としての利用が難しくても、土地の立地や広さに需要があれば、古家付き土地として売却できる場合があります。
選択肢2 現状のまま直接買取を依頼する
仲介売却では買主が見つかりにくい空き家でも、不動産会社による直接買取を検討できる場合があります。
直接買取は、一般の買主へ売る場合より価格が低くなることがありますが、次のような物件を現状のまま整理できる可能性があります。
- 築年数が古い
- 雨漏りや傾きがある
- 家財が大量に残っている
- 再建築不可や路地奥にある
- 私道や境界に確認事項がある
- 長屋や文化住宅である
- 遠方にあり管理が難しい
仲介と買取を比較するときは、提示価格だけでなく、仲介手数料、家財処分費、測量費、解体費、売却までの管理費を差し引いた最終的な手取り額で判断します。
民間売却が難しい場合には、所有者が費用を負担して所有権を移す不動産引取も選択肢になります。
ただし、契約条件や費用の内訳を十分に確認する必要があります。
選択肢3 解体して土地として売却する
建物の老朽化が著しく、建物付きでは買主が検討しにくい場合は、解体して土地として売る方法があります。
更地にすることで、買主が土地の形状や建築計画を判断しやすくなる場合があります。
ただし、解体すれば必ず売りやすくなるわけではありません。
解体前には、少なくとも次の点を確認します。
再建築できるか
前面道路が狭い、路地奥にある、接道幅が不足しているといった物件では、解体後に新しい建物を建てられない可能性があります。
幅員4m未満の道路でも、建築基準法第42条第2項道路であれば、セットバックによって再建築できる場合があります。
見た目だけで判断せず、自治体の建築指導担当部署などで道路種別と接道条件を確認しましょう。
住宅用地特例への影響
住宅の敷地には住宅用地特例があり、200㎡以下の小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が原則として価格の6分の1になります。
建物を取り壊すと、その土地は原則として住宅用地ではなくなるため、固定資産税等の負担が変わる可能性があります。
固定資産税は毎年1月1日の状況を基準に課税されるため、解体時期と売却時期がずれる場合は、翌年度の負担も含めて確認する必要があります。
解体費を回収できるか
解体費をかけても、売却価格が同じ金額だけ上がるとは限りません。
解体前には、次の二つを比較します。
- 古家付きのまま売却した場合の手取り額
- 解体費と税負担を差し引いた更地売却の手取り額
自治体によっては老朽空き家の解体補助制度がありますが、対象となる建物、所得、工事着手時期などの条件は地域ごとに異なります。
補助決定前に工事を始めると対象外になる場合もあるため、所在地の自治体へ事前に確認することが必要です。
選択肢4 一定期間保有しながら整理する
相続人間の話合い、相続登記、境界確認、家財整理などに時間が必要な場合は、すぐ売らずに一定期間保有する方法もあります。
ただし、「保有しながら整理すること」と「何もしないで放置すること」は異なります。
国土交通省は、空き家の管理として、定期的な通気・換気、排水設備の通水、敷地内の清掃、庭木の剪定、郵便物の確認などを挙げています。
保有整理を選ぶ場合は、次の内容を決めておきましょう。
- 誰が見回りを担当するか
- 草刈りや清掃を誰に依頼するか
- 税金、保険、修繕費を誰が負担するか
- いつまでに相続登記や境界確認を終えるか
- いつ売却方法を再検討するか
「半年以内に相続登記を終える」「1年後までに売却または活用を決める」など、期限を設けることが先送りを防ぐポイントです。
選択肢5 賃貸や地域利用として活用する
建物状態と地域需要によっては、住宅として貸す、店舗や事務所として利用する、地域団体へ貸すといった活用も考えられます。
ただし、活用は空き家を手放す方法ではなく、所有者としての管理や修繕を続ける方法です。
活用前には、次の内容を確認します。
- 賃貸や店舗の需要があるか
- 改修費を収入で回収できるか
- 耐震性や設備に問題がないか
- 継続して管理できるか
- 用途変更や消防上の手続きが必要か
高額な改修をすれば必ず収益化できるとは限りません。現状で売却した場合の手取り額と、改修後の収支を比較する必要があります。
管理不全空家への勧告に注意する
空き家になっただけで、住宅用地特例が直ちに外れるわけではありません。
ただし、適切に管理されず、管理不全空家等または特定空家等として市区町村から指導を受け、改善しないまま勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象外になります。
管理不全空家は、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれがある状態の空き家です。
売却を依頼している途中や、相続人間で協議している途中であっても、買主への引渡しが終わるまでは所有者による管理が必要です。
相続空き家の3,000万円特別控除も確認する
相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる場合があります。
対象となるのは、原則として1981年5月31日以前に建築された区分所有建物以外の家屋で、相続後に居住、賃貸、事業利用をしていないことなどの要件があります。
現行制度では2027年12月31日までの譲渡が対象です。
2024年以後の譲渡で、対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は、一人当たりの控除上限が2,000万円となります。
建物を取り壊して土地を売る場合も、要件を満たせば特例の対象となる可能性があります。
ただし、相続から解体、売却までの間に賃貸や事業利用をしていないこと、売却期限、売却代金などの条件があります。
解体や活用を決める前に、税理士や自治体へ確認することが重要です。
空き家処分を考える基本的な順番
空き家を処分したい場合は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
- 土地と建物の名義、相続人を確認する
- 接道、境界、私道、再建築の可否を調べる
- 建物状態と家財の量を確認する
- 現状のまま仲介・買取の査定を受ける
- 解体費、管理費、固定資産税を確認する
- 利用できる税制や解体補助を調べる
- 現況売却、直接買取、解体売却、保有整理、活用を比較する
大阪市、堺市、東大阪市、八尾市、豊中市、枚方市、岸和田市、泉佐野市など大阪府内でも、空き家に適した処分方法は、立地、接道、建物状態、土地面積によって異なります。
株式会社マイダスでは、相続した実家、築50年以上の古家、長屋、文化住宅、再建築不可物件、家財が残る空き家について、名義、接道、建物状態、家財、管理負担などを確認し、一般市場での売却、古家付き土地としての販売、現状での直接買取、不動産引取を比較してご案内しています。
空き家を処分したいときは、最初から「売るしかない」「解体すればよい」と決める必要はありません。
現状で売れるのか、買取ならどこまで費用を省けるのか、解体後に本当に建築できるのか、整理期間中に管理を続けられるのかを順番に確認することが大切です。
空き家の状態と費用を整理し、複数の方法を手取り額と管理負担で比較することが、後悔を減らす現実的な進め方です。










